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「封じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

封じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
いつか私の身についてしまっていることを私は知った。そして三日の後私はまた私の心を封じるために私の村へ帰って来たのである。 3 私は何日も悪くなった身....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
こと、時日を廻らすべからず」と言った。 だが頭のいい元就は、弘中三河守の諫言を封じる為に、座頭を使って、陶に一服盛ってあるのだから叶わない。晴賢は三河守の良策....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で、大地にメリ込むほどやっつける気力が減退し、相手に怪我をさせてまでその戦闘力を封じる手段にも出で難く、そこで米友としては、その力の十分の一も発揮できないでいる....
科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
科学的な引用には値いしない。抑々科学的な合理性を守るためにしか、之に対する反対を封じる意味でしか、大審院的判例は科学的引用を許されない。判例は単なる権威ある前例....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
だとか何とか言ふんだな。むろん、これは一組のサギ団ですよ。サギてえものは、サギを封じる手段を弄すると、そいつが逆にサギの手段にされちまふから、これはあなた古今東....
わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
して以来、もっぱら熟睡につとめ、午睡をむさぼることを日課としたから、自然に病気を封じることが出来たのかも知れなかった。 睡眠不足は、恐らくあらゆる人々に神経衰....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
があったでしょうが、そのミササギの中で定助を神の矢で殺すことは、相棒の口を永遠に封じると同時に土蔵破りの犯人をくらませる役にも立ち、定助殺しの犯人をもくらます役....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
だ。「さてこれはどうしたものだ。自分は能役者で剣客ではない。それに当分剣の方は、封じることにきめている。それに見たところこの老人、善人とはいうがアテにはならぬ。....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
します、そういう事をする性質をおのずから具えた者があったとしたらどうしましょう。封じる事を厳しくすればするほど、抑える事を重くすればするほど、いよいよ爆発するよ....
二十一」より 著者:坂口安吾
失敗したり、母親へ馬乗りになって打擲したりしたから、家族は辰夫の一生を病院の中へ封じるつもりで、見舞いにも来ないのである。僕が毎日訪ねて行くから辰夫の感動するこ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いに笑いだした、「なんというこれは、下郎でしょうね!」彼女はそういい、馭者の口を封じるために、金貨を三つ送ってやった。おしまいに彼女は移転した――ノンサッチへで....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ですよ、楽々と 人間と云うものの原質を組み立てるですね。 それを硝子|瓶に入れて封じる、それを十分に 蒸餾するですね。そして例の為事を、こっそりと 我手で成就す....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
、――しかもそれが毎晩なんで、もう苦しくって、やりきれなくなりました。何とか夢を封じる法はないでしょうか。貴方のお力で是非ともこの苦しみから、免れられるよう、救....
情鬼」より 著者:大倉燁子
婚によって裏書するような真似はいたしませんでした。そればかりではなく、二人の噂を封じるためには、どうしても表面をちゃんとつくっておく必要があると申します。そして....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
子を説きつけ、美人のまゆみと結婚しました。その代り競走者であるまゆみの芸を永久に封じるという約束をしたのです、その約束が非常な魅力で、百合子は直ぐ二人の結婚を承....