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封ずる
「封ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
封ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職業婦人気質」より 著者:吉行エイスケ
んだろう―― ――ノン、あなたが妾を囲いものにするからさ。 ――だが、浮気の道を
封ずることは男の特権だからな。 ――お可笑《かし》な生理学なんか妾、知らない。 ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
かくの反吐も残念ながら収まっちまう」 と例の桜の杖《つえ》で、杉の間を指す。天を
封ずる老幹の亭々と行儀よく並ぶ隙間《すきま》に、的※《てきれき》と近江《おうみ》....
「親子」より 著者:有島武郎
いってからに俺しには商人のような嘘はできないのだから、無理押しにでも矢部の得手を
封ずるほかはないではないか」 彼はそんな手にはかかるものかと思った。 「そんな....
「運命」より 著者:幸田露伴
甚しというべし。 建文帝の国を遜らざるを得ざるに至れる最初の因は、太祖の諸子を
封ずること過当にして、地を与うること広く、権を附すること多きに基づく。太祖の天下....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、読もうと思えば本も読めないことはなかった。大抵の主人は抱えの読書を嫌い、厳しく
封ずるのが普通で、東京でも今におき映画すら断然禁じている家も、少なくなかった。芸....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
を彫らぬ欄干も、巌を削った趣がある。あまつさえ、水底に主が棲む……その逸するのを
封ずるために、雲に結えて鉄の網を張り詰めたように、百千の細な影が、漣立って、ふら....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、私の魂はあなたの傍にあって、あなたにほほえんでいるでしょう。
その手紙を
封ずるものが何もないので、彼はただ紙を四つに折って、上に次のあて名を書きつけた。....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
肉をいおうとした。しかしいうことはできなかった。例の理由のない圧迫が、浪人の口を
封ずるからである。
「なんの素敵な鴨なものか、うっかりすると酷い目に逢うぞ」何と....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
しんみり言う。 ほぼその幼馴染とでもいッつべき様子を知って、他人には、堅く口を
封ずるだけ、お夏のために、天に代りて、大いに述懐せんとして、続けてなお説おうとす....
「三国志」より 著者:吉川英治
て、同志を語らい、ひそかに計をほどこして給わらぬか。もし成功なせば、貴下を三公に
封ずるであろう」と、いった。 ここが大事だ! と※統はひそかに警戒した。まんま....
「三国志」より 著者:吉川英治
の書中には――わが主玄徳が蜀を収めたら、天子に奏して、きっと張魯をして、漢寧王に
封ずるように運動しよう。このことは確約してもよろしい。……しかしそのかわりに、馬....