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封入
「封入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
封入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
この手紙は印度《インド》のダアジリンのラアマ・チャブズン氏へ出す手紙の中に
封入し、氏から日本へ送って貰うはずである。無事に君の手へ渡るかどうか、多少の心配....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
|書肆《しょし》は今しがた受取った手紙の中に一冊五十銭の彼の著書の五百部の印税を
封入してよこした。第三に――最も意外だったのはこの事件である。第三に下宿は晩飯の....
「或る女」より 著者:有島武郎
っておくという意味を簡単にしたためて、永田から送ってよこした為替《かわせ》の金を
封入して、その店を出た。そしていきなりそこに待ち合わしていた人力車の上の膝掛《ひ....
「或る女」より 著者:有島武郎
束にあるものと賞賛したシカゴ・トリビューンの「青年実業家評判記」の切り抜きなどを
封入して来た。思いのほか巨額の為替《かわせ》をちょいちょい送ってよこして、倉地氏....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
君から宜しく云うてくれ、荷物は北海道に居る母の許に送ってくれ、運賃として金五円|
封入して置く、不足したら店員某に七十二銭の貸しがあるから、其れで払ってくれ、と書....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
味はもう味わわれなかったらしい。コーヒー糖と称して角砂糖の内にひとつまみの粉末を
封入したものが一般に愛用された時代であったが往々それはもう薬臭くかび臭い異様の物....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
は困難でしょうね」と帆村は真面目な顔でいった。「この缶詰は普通の缶でした。瓦斯を
封入するには少くとも二箇の特殊の穴を明け、その穴をあとでハンダでふさいでおかなけ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
あまり沢山ウツせなかった。巴里でうつしたらボツボツと送るよ。今日はとも角今迄のを
封入して送る。 きのうは、サロンドートンヌを見たよ、中村と一ショに。あまりくだ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
には博士の筆跡でアッタスン氏の名が書いてあった。弁護士がそれを開封すると、数通の
封入書が床に落ちた。第一のは遺言書で、六カ月前に彼が返したのと同一のあの奇妙な条....
「『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
品から、その生活のあまりお楽でないように拝察せられたので、まことに少額の為替など
封入した。そうして井伏さんから、れいの律儀な文面の御返事をいただき、有頂天になり....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
よれば、紛うべくもない本人の筆蹟で、殊に中には、米国の五|弗紙幣で百|弗の大金が
封入してあったのだ。手紙には宿所が記入してなかったが、文言は次のようだった―― ....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
ジョーンスという人が一昨年の暮にインド洋から空瓶を数個海中に投じ、その中に手紙を
封入して誰でもこれを拾うた人はその場所と時日を通知するように依頼してあった。とこ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
涼しくなり候まま、近日御伺いいたします。九月十三日、鶴所。 中に兄からの電報が
封入してありました。私の縁談の時のもので、こちらからは何とお打ちになったのか知り....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
うと一方には、代がわりした『毎日新聞』の翌々日に載る沼南署名の訣別の辞のゲラ刷を
封入した自筆の手紙を友人に配っている。何人に配ったか知らぬが、僅に数回の面識しか....
「城」より 著者:カフカフランツ
もかくB課でも書類の封筒だけしかとどきませんでした。その封筒の上には、そのなかに
封入してあるはずの、しかし残念なことにほんとうはなくなっている書類は、測量技師の....