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専ら
「専ら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
専らの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
業上の参考書である。が、丸善が最も誇るべきものゝ一つは此外国の各種の目録で、Kが
専ら其衝に当って前後十何年の丹精を費やした努力の賜であった。 図書館の設備と書....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
れよう。文学として立派に職業たらしむるだけの報酬を文人に与え衣食に安心して其道に
専らなるを得せしめ、文人をして社会の継子たるヒガミ根性を抱かしめず、堂々として其....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
こそ不埒だ。そして仇光りがする、あれは……水晶か。 博士 水晶とは申す条、近頃は
専ら硝子を用いますので。 公子 (一笑す)私の恋人ともあろうものが、無ければ可い....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の守護霊、女子には女性の守護霊が附くのでございます。人類が地上に発生した当初は、
専ら自然霊が守護霊の役目を引き受けたと申すことでございますが、時代が過ぎて、次第....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
を遍歴すること約一年に及んだ。その中六ヶ月はマウント・アソスの希臘僧院で暮らし、
専ら静思休養につとめた。後その司配霊イムペレエタアの告ぐる所によれば、同僧院にモ....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
沢山にあった。特に京伝の『骨董集』は、立派な考証学で、決して孫引きのないもので、
専ら『一代男』『一代女』古俳諧等の書から直接に材料をとって来たものであった。この....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
妙に頭に残って薄気味悪く感じた。この言葉は未荘の田舎者はかつて使ったことがなく、
専らお役所のお歴々が用ゆるもので印象が殊の外深く、彼の「女」という思想など、急に....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
て種々|計画したるは事実なれども、その計画は造船所の設立、陸軍編制等の事にして、
専ら軍備を整うるの目的に外ならず。すなわち明治政府において外国の金を借り、またそ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
り広く渉猟していた。その頃は普通の貸本屋本は大抵読尽して聖堂図書館の八文字屋本を
専ら漁っていた。西洋の物も少しは読んでいた。それ故、文章を作らしたらカラ駄目で、....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
業務上水府の家職を初め諸藩のお留守居、勘定役等と交渉する必要があったので、伊藤は
専ら椿岳の米三郎を交際方面に当らしめた。 伊藤は牙籌一方の人物で、眼に一丁字な....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
温泉地に遊んでいた時、突然緑雨から手紙を請取ったのが初めてであった。尤もその頃|
専ら称していた正直正太夫の名は二十二年ごろ緑雨が初めてその名で発表した「小説|八....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
二葉亭は安心して盛んに読書に没頭した。殊にダーウィン、スペンサー等の英国進化論を
専ら研究したが、本来ヘーゲルの流れを汲む露国の思想に養われていたから、到底これら....
「想い出」より 著者:上村松園
、松年先生は学校を退かれる事になり、その時、私も御一緒に学校を辞めて、それからは
専ら松年先生の塾で勉強する事になりました。松園という号も、その時先生からつけて戴....
「松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
共に進歩して、團十郎氏が近古歴史中の英雄豪傑に扮して、其の精神風采を摸するに奇を
専らにし、圓朝氏が洋の東西、事の古今、人の貴賤を論ぜず、其の世態人情を写すに妙を....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
当り、戦略上から云えば前者を有利と認めている。しかるにサンカンタン案をとったのは
専ら戦術上の要求に依ると称している。 真に仏国に決戦を強いんとするならばサンカ....