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専売局
「専売局〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
専売局の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
最中とみえて、夜でも工事場に明るい燈がついている。新宿駅の高い木橋を渡って、煙草
専売局の横を鳴子坂《なるこざか》の方へ歩く。しゅうしゅうと音をたてて夜霧が流れて....
「清貧の書」より 著者:林芙美子
りつけていた。 家の中はもう真暗だ。 「何をする人なンだ?」 「煙草《たばこ》
専売局の会計をしてるンですってよ」 「ホウ、固い方なンだね」 土色の壁にはモジ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
り始めた。それはやっぱり鞄|変化《へんげ》に関するものであった。 何でも新宿の
専売局跡の露店《ろてん》街において、昼日中《ひるひなか》のことだが、ゴム靴などを....
「死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
って往っていた。大きな真黒い煙突のある建物が眼についた。私ははじめてそれが蔵前の
専売局だということを知った。そこで私は馬喰町の方は日を変えることに定めたが、それ....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
が、檜垣の家は伊豆七島|屈指の海産物問屋で、父親がその方をやっていた。檜垣自身は
専売局出張所の役人をやっていた。家のすぐ裏手に出張所の建物があって、檜垣はそこで....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
あさ露に濡れる波止場の板。 赤い円い禿山。 飴と煙草―― e.g. 朝鮮
専売局の発売にかかるカイダ・マコウ・ピジョンなど・など・など。 停車場への雑沓....
「露肆」より 著者:泉鏡花
叩いて、三州は岡崎、備後は尾ノ道、肥後は熊本の刻煙草を指示す…… 「内務省は煙草
専売局、印紙|御貼用済。味は至極|可えで、喫んで見た上で買いなさい。大阪は安井銀....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
要領を得なかった。その後この疑問を遙々日本へ持って帰って仕舞い込んで忘れていた。
専売局の方々にでも聞いてみたら分るかもしれないが、事によると、これは自分がちょっ....
「ゴルフ随行記」より 著者:寺田寅彦
だけに限るようである。それでこの最も人間的な人間固有の享楽と慰安に資料を供給する
専売局の仕事はこの点で最も独自なものであると云われるかもしれない。それでこの機会....
「浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
ですか。」 李は俄に顔を輝かした。――李がまだ朝鮮にいた頃、その地に、日本人の
専売局の役人がいて、その人が始終尺八を吹いていた。李は大変その「竹の笛」に心惹か....
「白銅貨の効用」より 著者:海野十三
は、夙に逓信省が公衆電話にて行えるところで、近来は鉄道省も之を切符販売用に用い、
専売局は煙草の自働販売器を認め、キャラメル、チョコレートの自働販売器あり、一時は....
「地上」より 著者:島田清次郎
けて本当に深く寝入っているのは鶴子という三十近い女だ。村の機織工場の女工、街の莨
専売局の女工、彼女の少女から青春時代はそうして送られた。まるまる肥えたはちきれそ....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
、今日もまた検挙網のど真中で堂堂と煙草を売つてゐる一人の闇商人曰く―― 警察や
専売局がいくら自由市場の煙草を取締つても無駄ですよ。
専売局自身が倉庫から大量持ち....
「白い道」より 著者:徳永直
て、そのまたむこうに、赤煉瓦の塀と鉄の門があった。鉄の門の内側は広大な熊本|煙草
専売局工場の構内がみえ、時計台のある中央の建物へつづく砂利道は、まだつよい夏のひ....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
目の角が松屋である。松屋についてはもう別にかかなくてもいいようだ。ここは旧の煙草
専売局、その前が奇名一世に高かった大山師の岩谷松平翁の天狗煙草である。今でこそ、....