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「専心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

専心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
老妓の好意を負担には感じられなかった。生れて始めて、日々の糧《かて》の心配なく、専心に書物の中のことと、実験室の成績と突き合せながら、使える部分を自分の工夫の中....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ます。この仕事はどうも私には荷が勝った仕事ですが、いずれ勤先とも話がつきましたら専心この計画にかかって私の生涯の事業にしたいと思いますので」 その節は、亡父の....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
存在になってしまった。その上、それまでは邪教と罵《ののし》っていた、母の馬霊教に専心するようになったのだが、彼の変換した人格は、おもにその影響を滝人のほうにもた....
食魔」より 著者:岡本かの子
ら揚の油が浮くようになってからは、ただ「おいしいわ」「おいしいわ」というだけで、専心に喰べ進んで行く。鼈四郎は、再び首尾はいかがと張り詰めていたものが食品の皿が....
碁の手直り表」より 著者:菊池寛
でもない悪手をさした。やりっぱなしの放漫な将棋である。碁もそうした所もあったが、専心研究した甲斐あって、この二三年三四目上達したらしい。去年の春頃打つと、四目置....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
もうカワカミのことは、忘れようではないか。そして一路、敵国艦隊を撃滅することに、専心するのだ。まあわしのすることを見ているがいい」 リット少将は、うす気味がわ....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
……)と呶鳴っていた。 「これにてそちも身が軽くなったことじゃろう。この上は御用専心に致せ。――おお、そうじゃ。聞けばこの程より怪しき辻斬がしきりと出没して被害....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
んという親不孝者であろう。いっそのことすべてをあきらめて、おとなしく鎌倉へ戻って専心養生につとめようかしら……。』そんな素直な考えも心のどこかに囁かないでもなか....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
めに、かえって妄念が起こるのです。まずあなたのその鏡を私のところへ置いていって、専心にお仕事に没頭なさるようにお努めなさい。そうして、忘れても並木通りへは足を向....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、五年来家事の加勢に呼寄せていた曾乃刀自の姪を籍に入れたのである。老刀自が華道に専心して忙がしがっていたのを助けて来ただけあって、花も相応に活かるようになってい....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
第八篇、第九篇(発表は翌年)。 夕食の招待も断わり、専心研究に従事す。 一八三五年 同第十篇。 同 十二月二....
あゝ二十年」より 著者:上村松園
保つことができます。 こうして私は、外の俗塵とは絶縁して、毎日朝から夕景まで、専心専念、御下命画の筆を執りました。画室内には一ぴきの蝿も蚊も飛ばず、絵の具皿の....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
言葉を賜りました。その時以来、毎年毎年春が回って来ると、今年こそは、上納の画に、専心かかろうと心に定めております。すると、あっちからも、こっちからも、以前から依....
迷信解」より 著者:井上円了
を指していう。内部の事情とは、身体の疲労衰弱、精神の哀痛恐怖の場合、または一事に専心熱中せる場合、または精神に異状を呈したる場合を指していうのである。これに加う....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
劇界を腕一本で支えて、殆んど背負い切れないほどの負債を荷いながら、劇の向上進歩に専心努力した彼の功績は、明治の演劇史に特筆大書せらるべきものである。その功績と伎....