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専念
「専念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
専念の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
《もちろん》表面では、今でもさほど気にならないような顔をしてすましている。これは
専念に当来《とうらい》の浄土《じょうど》を渇仰《かつぎょう》すべき僧侶《そうりょ....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
みおしえ》を奉ずるものは、かりそめにもその爪牙《そうが》に近づくべからず。ただ、
専念に祈祷《おらしょ》を唱《とな》え、DS の御徳にすがり奉って、万一「いんへる....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
の妙経を読誦しようとするのである。……
阿闍梨は褊袗《へんさん》の襟を正して、
専念に経を読んだ。
それが、どのくらいつづいたかわからない。が、暫くすると、切....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》なる渦毛《うずげ》の犬の太くたくましきを容《い》れて、その頭を撫《な》でつつ、
専念に書見したりしが、このとき鈴の音《ね》を聞くと斉《ひと》しく身を起こして、ひ....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
の記憶が、日に薄らいでいくのを感じた。彼はますます勇猛の心を振い起して、ひたすら
専念に槌を振った。 新しい年が来た。春が来て、夏が来て、早くも一年が経った。市....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い人がある。そのためには彼は一見彼に利益らしく見える結果にも惑わされない。彼には
専念すべきただ一事がある。それは彼の力の及ぶかぎり、愛の純粋な表現を成就しようと....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
のが、それから一週間の後のことであった。出発日までの一週間を、博士は出発の用意に
専念した。すなわち、わざわざ大きなトランクを三つ、自製し、そのトランクの中へ、こ....
「転機」より 著者:伊藤野枝
要するに、私は今までの自分の生活に対する反動から、ただ真実に力強く、すばらしく、
専念に生きたいとばかり考えていた。 しかし、とはいうものの、山岡との面倒な恋愛....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
す。 従つて、男性はもちろん、主婦の仕事にあまり興味をもたず、それ以外の活動に
専念している女性たちは、経済的に楽か苦しいかというそれぞれの立場から、要するに自....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
ら、断然発奮いたしまして、ぜひ今度こそはと思い定め、あらゆる画の関係を断ち、一意
専念に御下命画の「雪月花」完成に精進いたしたわけでした。 私は毎朝五時には起床....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
た。 八郎のその化け方も不思議だが、気をつけて見ると、成程、もうその時からして
専念に舞台を見ているものは数うるほどしかない。もっとも謡本を手にしないものも、稀....
「審判」より 著者:カフカフランツ
の職業には関係のないあらゆる心配をふさぐことができるはずだ。これまで以上に仕事に
専念して、銀行で新しい制度をやりとげ、それの保持のために引続いて従事し、事務の世....
「越年」より 著者:岡本かの子
、はっきりしていると思う。現在、あの拓殖会社が煮え切らぬ存在で、今度の社が軍需に
専念である点が僕の去就を決した。しかし私に割り切れないものがあの社を去るに当って....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
た、久松さん、有難う。私は淀川に身を沈めた積りで、これからあなたが地獄改造運動に
専念していらっしゃるように、現世において戦います。有難う。心中は階級戦の中に発見....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
たのはわれわれのためにである。彼はそのことを望んだ。――他人のために働こうとする
専念は、絶えず彼の心に還って来た。願わくは彼の不幸が彼以外の人間に役立つがよい!....