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専断
「専断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
専断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
面に出動していたから、後世史家の悪口である。長坂、跡部共に、新主勝頼の寵を誇って
専断多かった事は事実らしいが、必ずしも武田家を想わざる小人輩とは為し難い。長坂は....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は容易にこの国の人の心を去らない。横浜、長崎、函館の三港を開いたことは井伊大老の
専断であって、朝廷の許しを待ったものではない。京都の方面も騒がしくて、賢い帝の心....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
召し上げ、かつ謹慎を命ずるとは何か。朝廷は四国公使との交渉に何の相談もない幕府の
専断を強くとがめられたのである。しかも、老中をば朝廷より免職するというは全く前例....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
全国の神官と共に各宗の僧侶をして布教に従事せしめるようなことは長く続かなかった。
専断|偏頗の訴えはそこから起こって来て、教義の紛乱も絶えることがない。外には布教....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
争し、――私の断言を盲目的に信ずることや、私の意志に服従することを拒み、――私の
専断的な命令になんであろうと事ごとに干渉したのであった。もしこの世に最高無条件の....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
これを見た反長老派の連中は、さまざまに非難を浴びせると共に、ここでは懺悔の神秘が
専断軽率に貶《おと》し卑しめられていると告発した。――ところが、道心なり俗人なり....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
義をうち立てたのであった。民族の魂を変形し、それに新しい性質を帯びさせるものは、
専断な理性でもなく、道徳および宗教の規範でもなく、立法家および為政家でも、牧師お....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ス人を冷淡な人間だと思った。そして彼らの乱雑な行動に驚かされた。傲慢《ごうまん》
専断な官僚気風に支配された無政府的社会、そういう印象を彼は受けた。 ある晩彼は....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ままの行動を取り得なかったことである。言論の自由のために妨げられていたのである。
専断な捕縛は新聞に摘発されて議会の問題とまでなったことがあるので、警視庁の方では....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る二、三世紀に限られた文学的見解のみじめさ、官界|衒学者《げんがくしゃ》の暴君的
専断、スコラ派の偏見、旧慣、などがついにはフランスの大学をして牡蠣《かき》(愚人....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
られたという。甚しい哉、総理大臣までその実相を告げ知らされていない。何たる軍部の
専断横行であるか。しかもその軍人たるや、かくの如くに天皇をないがしろにし、根柢的....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
ばられているものの、国民に対する関係においては、法律上ないしは事実上なお大きな「
専断力」をもっているのです。しかし、役人にかかる
専断力を与えるのは制度の必要上や....
「露の答」より 著者:坂口安吾
それを抱え去って風呂の火をたきつけています。之が当主の太郎丸氏でした。当主は私用
専断によって下男を数日の旅行にだした、あなたが勝手にしたことですからお風呂はあな....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
しに拘束されて自由な働きができないことになるのですが、これというのも畢竟裁判官の
専断を防ぎ不公平を防がんとする主旨から生まれたもので、それがため今日の裁判官は物....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
むに従い漢民族の心は安定を欠き、一方大量の日系官吏の進出と経済統制による日本人の
専断が、民族協和を困惑する形となり、統制経済による不安と相俟って民心が逐次不安と....