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専領
「専領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
専領の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
》の宿料《しゅくりょう》を払って、裏の部屋を一間《ひとま》借り受けた。その時表を
専領《せんりょう》しているK氏は目下|蘇格蘭《スコットランド》巡遊中で暫《しばら....
「現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
講演が終って場外に出て涼しい風に吹かれでもすれば、ああ好い心持だという意識に心を
専領されてしまって講演の方はピッタリ忘れてしまう。私から云えば全くありがたくない....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
た思い返して、位置の運動を始め出した出花《でばな》なので、自然その方にばかり頭を
専領される日が多いため、これより以上立ち入って何物をも探る事をあえてしなかった。....
「行人」より 著者:夏目漱石
余儀なくされていた。
父は常に我々とはかけ隔《へだた》った奥の二間《ふたま》を
専領《せんりょう》していた。簀垂《すだれ》のかかったその縁側に、朝貌はいつでも並....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
の小さな裂け目から無理に割り込んで、一寸二寸とじりじりにセメントで築上げた窖道を
専領《せんりょう》するに至っては、全く人間以上の辛抱比《しんぼうくら》べに違ない....
「道草」より 著者:夏目漱石
室《へや》に塊っている子供と細君とを見ると、時々別な心持を起した。 「女は子供を
専領してしまうものだね」 細君は驚ろいた顔をして夫を見返した。其所《そこ》には....
「門」より 著者:夏目漱石
と》の口も利《き》かずに、またそっと襖を閉めた。そうして、たった一人大きな食卓を
専領して、始めからさらさらと茶漬を掻《か》き込む音をさせた。 二時頃になって、....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
を済ませようと思ったところが、そううまくはいかなかった。この夏は野々宮さんだけで
専領していた部屋《へや》に髭《ひげ》のはえた人が二、三人いる。制服を着た学生も二....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
。富松は河辺郡と武庫郡とに分れて、東西富松の二つある。しかして富松庄は三条西家の
専領ではなく、むしろ西園寺家の所領というべきもので、三条西家はわずかにその三分一....
「それから」より 著者:夏目漱石
はかせ》であった。代助はその顔を一々覚えていた。その又隣に、広い所をたった二人で
専領しているものがあった。その一人は、兄と同じ位な年|恰好《かっこう》で、正しい....