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「射向け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

射向けの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
えておりました。命は、いざ船からおおりになろうとしますと、かれらが急にどっと矢を射向けて来ましたので、お船の中から盾を取り出して、ひゅうひゅう飛んで来る矢の中を....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
個《ほんと》の押掛けで、もとより大鎧|罩手《こて》臑当《すねあて》の出で立ちの、射向けの袖《そで》に風を切って、長やかなる陣刀の鐺《こじり》あたり散らして、寄付....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の人影をいぶかるものの如く、死骸と死骸との間から、迅こい猫のような眸を、じっと、射向けているのであった。 戦が熄んだといっても、まだ素槍や素刀は、この辺を中心....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と、大喝して、武蔵のことばに答えた者がある。 ぎらっと、武蔵はその顔へ眸を射向けた。年輩、態度、この中では、吉岡方の然るべき者らしく思える。 それは、高....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
る、お千絵とおたみとは、その音にハッと驚かされて、等しい目色を、思わず後ろの方へ射向けた。 「おッ!」 おたみは、のけぞるばかりに気を消した。無論、お千絵の眉....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
作に見て、その襟がみをつまみそうに、片腕の袖をまくりあげたが、キラッと笠の蔭から射向けられた眼光りに、そう簡単に手がのびなかった。 「お前たちに用はない、上役が....
三国志」より 著者:吉川英治
飛は動じる態もなかった。 かえって、全身に焔々の闘志を燃やし、炬の如き眼を爛と射向けて、 「それへ来たものは、敵の総帥たる曹操ではないか。われこそは、劉皇叔の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は、剃りかけていた剃刀の手を休めて、鏡のうちの眼を、きっと十郎の顔へ上眼づかいに射向けた。 「おれの胸が分っていると?」 「はっ」 「どう分っているのだ」 「大....