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射返す
「射返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
射返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
《まつばがた》に繋《つな》ぎ合せた鎖の折れ曲って、表に向いている方が、細く光線を
射返す奥に、盛り上がる七子《ななこ》の縁《ふち》が幽《かす》かに浮いている。たし....
「草枕」より 著者:夏目漱石
うしても堪《た》えられぬと云う一念の結晶して、燦《さん》として白日《はくじつ》を
射返すものである。 芝居気があると人の行為を笑う事がある。うつくしき趣味を貫《....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
》って扉に耳を付けて聴く。足音は部屋の前を通り越して、次第に遠ざかる下から、壁の
射返す響のみが朗らかに聞える。何者か暗窖《あんこう》の中へ降りていったのであろう....
「倫敦塔」より 著者:夏目漱石
る葡萄《ぶどう》と、葡萄の蔓《つる》と葡萄の葉が手足の触《ふ》るる場所だけ光りを
射返す。この寝台《ねだい》の端《はじ》に二人《ふたり》の小児《しょうに》が見えて....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
がその代りに表面に浮かんで来た。 「だが――」 と、先生は、その眼で次郎の眼を
射返すように見ながら、 「君のさっきからの話しぶりでは、せっかくのすばらしい経験....