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尉官
「尉官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尉官の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
けれど、地位や身分に関しては、断じて許すことができなかった。芝居の狂言などでも、
尉官に関してなら、すべて大目に見て差し支えないが、いやしくも佐官級の人物に楯つく....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
》しい。当時の戦争に従事したと云う中尉のA君がただ独《ひと》り番をしている。この
尉官は陳列所に幾十種となく並べてある戦利品について、一々|叮嚀《ていねい》に説明....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
知らない。戸籍には明治十八年五月十七日生とあるが、実際は一月十七日だそうだ。当時
尉官はほとんど結婚を禁ぜられていたようなもので、結婚すると三百円の保証金を納めな....
「微笑」より 著者:横光利一
高くビールの壜を梶のコップに傾けた。フライやサラダの皿が出たとき、 「そんな君の
尉官の襟章で、ここにいてもいいのですか。」と梶は訊ねてみた。 「みなここの人は僕....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
。 床にはハヤ良人ありて、新婦の来るを待ちおれり。渠は名を近藤重隆と謂う陸軍の
尉官なり。式は別に謂わざるべし、媒妁の妻退き、介添の婦人皆|罷出つ。 ただ二人....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
齢六十五歳で、生まれは地主階級だったが、ごく若いころ、軍務に服して、コーカサスで
尉官を勤めていたこともある。彼がなにかしら一種独特な性格でアリョーシャの心を震駭....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ろげて、大きく輪を描いて、笛を吹いている。 鶴見が寓居のすぐ奥の隣家には海軍の
尉官が住っていた。子供が二人ある。よしという若い女中が働いている。朝食の済むころ....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
族的」とでも云うべき作法を主にしたものであつた。この訓育の任に当るのは生徒監で、
尉官級の云わば先輩、自分らがかつて仕込まれたとおりに後輩を仕込もうという一念以外....
「接吻」より 著者:神西清
ている兵卒の顔によく見られるような表情が浮んでいた。また晩によっては、一杯機嫌の
尉官連中が例の猟犬ロブィトコを先頭に押し立てて、いわゆる『部落』へドン・ファン的....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
いた。毎日毎日、一日も欠かさない、各階の掃除にはそれぞれ専門の軍人がいる。それも
尉官級、佐官級であるらしい。そして各階の責任者が一応掃除のすんだことを報告すると....