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尊像
「尊像〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尊像の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
す。その廚子の上には経文《きょうもん》と一しょに、阿弥陀如来《あみだにょらい》の
尊像が一体、端然と金色《こんじき》に輝いていました。これは確か康頼《やすより》様....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の数は増されて、須弥壇《しゅみだん》はかがやくばかりに明るくなった。阿弥陀如来の
尊像はくすぶるばかりの香りの煙りにつつまれた。その渦まく煙りのなかに浮き出してい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の災厄をはらい、諸人に福運を授けると告げたので、かれは翌朝早々に下谷へ行ってその
尊像を買い求めて来たのである。その話が世間に伝わって、それを拝みに来る者がだんだ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はもう知れ渡っていたので、その噂を聴くたびに教重はひやひやした。慈悲柔和な観音の
尊像も、きょうは自分を睨んでおわすかのように思われて、彼が読経の声はみだれ勝ちで....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を茗荷谷の縛られ地蔵といって、江戸時代には随分信仰する者がありました。地蔵さまの
尊像は高さ三尺ばかりで、三間四方ぐらいのお堂のなかに納まっていましたから、雨かぜ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たびか獄屋に入れられたが、彼は背中一面に毘沙門天の像を彫っているので、獄吏もその
尊像を憚って杖をあてることが出来ない。それを幸いにして、彼はますますあばれ歩くの....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
。この井戸の水を「洗心水」という。けがれた心を洗いまひょと、彼女たちは不動明王の
尊像に水をかける。何十年来一日も欠かさず水をそそがれた不動明王の体からは蒼い苔が....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
自分の一つしかない眼を刳り抜いて天人像に捧げると云うのは、沙門の身であられもない
尊像冒涜の罪業を冒した懲罰として、仏の断罪を願望としたからなんだ。ねえ、ジャネー....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
俄かに立像の下にひざまずいた。鉄鉢も麻袋も投げ出すように地に置いて、尼はしばらく
尊像を伏し拝んでいた。僕は一緒になって拝む気にもなれなかったので――その癖、祖母....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
らずも、畏しこげな御影を仰ぎ見たのである。太秦広隆寺の桂宮院に納めてある太子の御
尊像そっくりであった。左右に童子を随えて、笏を捧げて立たせたまう、あの聡明と威厳....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ああその熱心さと敬虔さとは何んに例えたらよいだろう? 古代、仏教の信者達が仏陀の
尊像を堅く信じて祈願をこめた熱心さと敬虔さとに例えようか。それにしてもどうして人....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
七の墓のほとりにある阿弥陀像の碑について、円乗寺の寺記には、 「又かたはらに弥陀
尊像の塔あり。これまたお七の菩提のために後人の建立しつる由なれど、施主はいつの頃....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
。そしてその東の間には、御父用明天皇の御為に敬造せられた東方浄土の教主薬師如来の
尊像を安置し、西の間は依然太子の御居室として遺されてあった所へ、太子の薨後さらに....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
のものである。
けれども最初はかくのごとき社会に普及して居る古教派の秘密仏教の
尊像を皆打ち破ってしまって、これは真の仏教でないというだけの認めは付かなかったよ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
虔ましくなった、金の十六弁の菊の御紋章が光り、今上皇后両陛下に摂政宮と妃殿下の御
尊像が並び立たせられた石版刷りの軸が一本、まことにありがたそうに掛け垂らしてあっ....