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「尊称〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尊称の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
竹青」より 著者:太宰治
声で言って、眼を閉じた。 この湖畔の呉王廟は、三国時代の呉の将軍|甘寧を呉王と尊称し、之を水路の守護神としてあがめ祀っているもので、霊顕すこぶるあらたかの由、....
愛と美について」より 著者:太宰治
たら、果して、その講話のおわりにアナウンサアが、その、あいつの名前を、閣下という尊称を附して報告いたしました。老博士は、耳を洗いすすぎたい気持になりました。その....
僕の昔」より 著者:夏目漱石
を作れるのは名主にだけは許されていたから、名主一名お玄関様という奇抜《きばつ》な尊称を父親はちょうだいしてさかんにいばっていたんだろう。 家は明治十四五年ごろ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まぐろしいが、 「旦那、御用向のほどを承りましょう」 しかるに、がんりきの方の尊称は旦那で統制されている。この男が、関守氏を先生とも呼ばず、親分とも言わず、旦....
『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
ある。官位に付随する尊敬、煩瑣なる階級の差等、「御」とか、「せさせ給ふ」とかいう尊称語を除いてみれば、後世の型に囚われた文章よりも、この方が、よほど、今日の口語....
ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
どくこき下ろされていたが、当人は Sehrgemeiner Kerl などという尊称を捧げられても平気で一緒に騒いでいる面白い人であった。 大学講堂の裏の|橡....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》しかった。近くとも遠くとも、すべて自分に関係のあるものにたいしては、「閣下」の尊称を頭の中で与えてるらしかった。 クリストフは代わる代わるに、聴衆と作品との....
可愛い女」より 著者:神西清
。 役者連中は彼女によくなついて、『ヴァーニチカと二人』だの『可愛い女』だのと尊称を奉っていた。彼女の方でも彼らに目をかけてやって、少しずつならお金も貸し出し....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ずれも親戚関係で、逸見姓を宣る大大尽があり、総称して尾張の逸見三家と云い、特殊の尊称と疑惑とを、世間の人から持たれていた。 金持ちであるから尊敬される! これ....
決闘」より 著者:神西清
をつけた。いつかフォン・コーレンが、ラエーフスキイとナヂェージダに『猿の夫婦』の尊称を奉った時には、有頂天になって喜んだ。彼は貪るように相手の顔に見入る。瞬きも....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
『考古学雑誌』(第四巻第三号)に「蝦夷考」を発表せられ、 タケル(梟師)が遂に尊称となりし如く、エミシも亦貴名となり了りぬ。蘇我氏の一大臣は蝦夷とも蝦※とも正....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
慶も助六も清正も家康も河内山も説くには及ばない、この仲国ひと役でも団十郎に名人の尊称をあたえていいと、わたしは今でも思っている。新蔵の冷泉もよかった。 「太閤軍....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るところの華族よりは余程優遇されて居る。で、その家の子供なども太子様などと人から尊称を受けるようになって居る。 一番仕舞のが普通の華族でやはり昔から大変に由緒....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ととなる。ここに至っては真の坊主のみでなく、坊主ならぬただの僧侶達までも、坊主の尊称をもって呼ばれるのを忌がることとなる。その代りにその賤しい意味となった坊主の....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
夫が鶴ヶ御前(宛字、登山地図劒岳号参照)と称するは即ち劒ヶ御前にして、元と劒岳の尊称であったものが、いつの間にか転移して其前面に続く二千七百七十六米の峰名となっ....