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尋ぬ
「尋ぬ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尋ぬの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
箇月を支《ささ》うるを得ば足れり。無頓着《むとんじゃく》なる白糸はただその健康を
尋ぬるのみに安んじて、あえてその成業の期を問わず、欣弥もまたあながちこれを告げん....
「雪の塔」より 著者:海若藍平
りに消ゆる雪の塔 野から山へと冬は去り 海から野へと春は来る 冬のゆくえを
尋ぬれば 消えてあと無き雪の塔 春のふるさと
尋ぬれば 消えてあと無き雪の塔....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
指と掌は動くけれども、肱は附着いてちっとも伸びず。銅で鋳たような。……その仔細を
尋ぬれば、心がらとは言いながら、去る年、一|膳飯屋でぐでんになり、冥途の宵を照ら....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
僕の知れる江戸っ児中、文壇に縁あるものを
尋ぬれば第一に後藤末雄君、第二に辻潤君、第三に久保田万太郎君なり。この三君は三君....
「白銅貨の効用」より 著者:海野十三
料ともなるものである。 序論 ここに十銭の白銅貨がある。この効用は如何? と
尋ぬれば、 「十銭の品物を買うことができる。」 或いは 「十銭の持つ財的エネル....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
の神の指図によって、彼は遠い日本まで何物をか尋ねに来たのであると語った。 「その
尋ぬるものが仮りにわたしであったとして、さてそれを尋ねあてたら、何とせらるるのじ....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
道すがら語りけるは、ここには朱の盤とて隠れなき化物あるよし、其方も聞及び給うかと
尋ぬれば、後より来る若侍、その化物はかようの者かと、俄に面替り眼は皿のごとくにて....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
前しばしば来りてスケッチなどしたる所なり。その踏み荒したる靴の跡はそこかここかと
尋ぬるも甲斐なし。堤の秋草さびしく戦ぎて、上水白く流れゆく。 足あとを何処にたづ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
の燐寸を掴んで力任せに引擦ると、火は漸く点いた。 わが足下に横わっているのは、
尋ぬる父の安行であった。わが右の足で踏んでいた柔かい物は粘土で無い、老たる父の左....
「国栖の名義」より 著者:喜田貞吉
『ヲダリ』(信濃地名)、『オヲニ』(男鬼)が『オヲリ』(近江地名)など、まだまだ
尋ぬれば、いくらもあろう。そしてこれが多く地名であることも面白い。この傍例のみか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
国からわざわざゲロン・リンボチェに会いに来たんだそうです。そこで私はこの人に道を
尋ぬるために言いました。「これから私はカン・リンボチェの方に行かなくちゃあならな....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ぬ。 折から外より戸を叩きて、「もう開けましても差支えございませんか。と医師の
尋ぬるに泰助は振返りて、「宜しい、おはいんなさい。と答うれば、戸を排きて、医師と....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
み経たことは大悟小悟その数を知らずと後に自身の述懐に就て言っているくらいである。
尋ぬべき名師は大概尋ね尽し、探るべき心疑も殆ど底を傾けたらしい。私は彼が泉州信田....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
万代のためしに君がひかるれば子の日の松もうらやみやせむ 子の日すと春の野ごとに
尋ぬれば松にひかるる心地こそすれ まこも草つのぐみ渡る沢辺にはつながぬ駒も放れざ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
甍を争へる、尊き卑しき人の住居は、代々を経てつきせぬものなれど、これをまことかと
尋ぬれば、昔ありし家は稀なり。……いにしへ見し人は、二三十人の中に僅に一人二人な....