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尋ね人
「尋ね人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尋ね人の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とはしないらしく、唯その狐の教えに依って、他人《ひと》の吉凶禍福や失せ物、または
尋ね人のありかを占うに過ぎないのである。したがって、別に他人に害をなすというので....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
左団次なぞと同じ星廻りだから、三十四から四十までの間が一番災難の多い大切な時だ。
尋ね人は七赤金星で、三碧木星とは相剋だから早く諦めないと大変な事になる。双方の所....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
と、二人は連れだってそこを出た。それから杜は、ミチミと房子との二重の名のついた「
尋ね人」の旆を担いで、避難民の固まっているバラックをそれからそれへと訪ねていった....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
んだが――探し物をしてるのである。いや、さがし「物」じゃない。探し「人」なんだ。
尋ね人なんだ、つまり。 とは言え、顔を識らない人を、しかも出来るだけ多勢拾い上....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ここに運命の極めて奇なる因縁で、宇津木兵馬とお銀様とは、その翌日、行を共にして
尋ね人のあとを追うことになりました。 温泉の名をハッコツとだけは、知ることがで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かに神医なりといえども、いつどこで探し出されるか知れないものを、そのあてどのない
尋ね人を探して来るまで、死ぬべきものを死なさずに置けとは、米友の注文が無理です。....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
半ば攀じ上った頃、消えたか、隠れたか、やがて見えなくなった。 もとより当のない
尋ね人。どこへ、と見当はちっとも着かず、ただ足にまかせて、彼方此方、同じ処を四五....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
がいいや」 だが天心堂は三円の見料の手前があってか、易を立てて見てくれて、 「
尋ね人は西に居るが、だいぶ東京から離れているようだ。わりに身持もよく、身体も達者....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
れば、せめて、二人に逢いたいが――)
「旦那、お泊りじゃござんせんか」
「少し、
尋ね人があって――」
益満は、そう答えて、街道へ出た。そして、すっかり暗くなっ....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
ぜひ一人思い出してくれい。用というのは、その人物を伝手《つて》にいたして、江戸で
尋ね人をしようというのだ」
ははあ、仇敵討《かたきう》ちかな、とおやじは思った....
「日記」より 著者:宮本百合子
煉瓦建築は多くの人を殺した。 往来、まるで大混雑、立往生をして居る電車に一杯、
尋ね人、被害地図、政府の告示等貼ってあった。 A、藤沢の安否をたずねに浅草にゆ....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
ざぶとん》に腰を下ろして、すぐこう口を開いた。 「これは兼久さんですか。いや私は
尋ね人があって江戸じゅうの質屋を廻っているものだが、じつはね、こういう女があなた....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
荒坊は、息のあい間に、こうもいった。 「やい、船木頼春。うぬも名だたる六波羅のお
尋ね人。多年探しあぐねていたところを、よくもわれから姿を現わして来おッたな。こっ....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
ませんか。――たとえ生きてお還りになるようなことがあっても、磋磯之介は、公儀のお
尋ね人ですからね」 「けれど、どうしても、嫌なんですもの」 「誰方ですか。縁談の....