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「尋ね者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尋ね者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
ません。「昔の恩を返す時が来た」――そう思う事が嬉しかったのです。わたしにも、御尋ね者の阿媽港甚内《あまかわじんない》にも、立派《りっぱ》に恩返しが出来る愉快さ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
されるから困るよ」 「わっしらの商売から云うと、悪い人の殺されるのも困る。折角お尋ね者を追いつめて、さあという時に相手がコロリと参ってしまわれちゃあ、洒落《しゃ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ませて寺を出ると、どこから尾《つ》けて来たのか伝蔵が門の前に待っていて、自分はお尋ね者で商売に取り付くことも出来ず、その日にも困っているから、幾らか恵んでくれと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
半七は声をやわらげた。「三甚のことはともかくも、牢抜けの金蔵は人相書のまわったお尋ね者だ。おれもこれから踏み込んで探索をしなけりゃあならねえ。何か聞き込んだら教....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もに頤で知らせた。 藤四郎の眼にとまった彼の男は、石原の松蔵という家尻切りのお尋ね者であった。かれは詮議がだんだんに厳しくなって来たのを覚って、どこへか高飛び....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
質問の巨弾を放ったのだった。 「三年ほど前、大胆不敵な強盗殺人を連発して天下のお尋ね者となった兇賊痣蟹仙斎という男がありましたね。あの兇賊は当時国外へ逃げだした....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
少しばかりの荷物を持った人は問屋場の手にかゝらないことになっていました。勿論、お尋ね者や駈落者などは我身にうしろ暗いことがあるから問屋場にはかゝりません。そこが....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
がいる事が分ると渋々帰って行きました」 何と云う大胆不敵な奴だろう。逃亡中のお尋ね者の身体で、例え所を隔てた他署とは云え、警察署へ堂々と出頭して、而も強硬な態....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
鉄はなぶり殺しよりも辛い思いをしなければならない破目に陥った。その安吉は自分もお尋ね者であることを初めて明かして、もうこうなった以上、お元からまとまった金を貰っ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
殿様半次が一番怪しいということになる。半次ならやりかねないだろう」 重大なるお尋ね者である半次は、天には勝てず、旧い友達のバラックに潜伏しているところを捕えら....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
なあ」 「あらたかもクソもあるものですかい。あっしたちの手入れの先廻りをして、お尋ね者を連れ出して、かくまっている姐ごじゃアありませんか。よしんばそいつが親分の....
」より 著者:岡本綺堂
うことにした。叔父は大抵のことを知っていながら、どういう料簡か、素直に承知してお尋ね者を引受けた。それで当分は無事であったが、その翌年、すなわち安政元年の五月一....
都会の中の孤島」より 著者:坂口安吾
から、右平の方は泥棒だろうということが定評になっている。相当世間を騒がしているお尋ね者の一人じゃないか、否、十中八九その一人だという風にミヤ子自身も考えているの....
愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
か。 第一に考えられる事は母親か或は父親か、それとも一家の中の誰かが、警察のお尋ね者になっている事だ。けれども母親の様子は犯罪者に関係があるようには見えない。....
」より 著者:岡本綺堂
が注かなかった。いや、それよりも……。(考える。)あんなおとなしい人が人殺しのお尋ね者とは、今まで些っとも気が注かなかった。 おつや それだから、あたしがトテモ....