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導火
「導火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
導火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
程度の愛撫《あいぶ》をむさぼろうとした。そうする事が自然にこの難題に解決をつける
導火線《みちび》にもなると思った。
倉地も葉子に譲らないほどの執着をもって葉子....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
いう間違もなく半年経ち、日清戦争となって、兵隊が下宿する。初は一人の下士。これが
導火線、類を以て集り、終《つい》には酒、歌、軍歌、日本帝国万々歳! そして母と妹....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
弧線のために、隣室に打衝ってしまうのです。また、煙硝が直接火を呼ばないためには、
導火線の長さも考えなければなりません。そうすると、飛去来器使用の犯行が、すっかり....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
焼けた紙らしいものが、はらはらと盛んに落ちて来た。火事の焼屑か、B29の落とした
導火線の焼けかすか。 今日敵は焼夷弾と爆弾の混投を行ない、相当火災も起こったよ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
涅槃に導く他力だとな! 妾はお前達に礼を云う。妾を燻べた松火の火こそ、真如へ導く
導火だとな! おお人々よ慾を捨てよ! 慾こそは輪廻を産む。正観せよ! 正思せよ!....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
陣地や砲台の下まで坑道を掘った。そして、ちょうどこの真下に、爆薬を仕かけてきて、
導火線を長く引張り、そしてどかーんと爆発させたのだ。こいつが、なかなか効《き》き....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
ない。もし、万一この筒を捨てなければならないときが来たら、底のところから出ている
導火線に火をつけるんだ。だが、いよいよもういけないというときでなければ、火をつけ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
いる黒人が書いてよこしたものです。文を読みますと――スグ丘ノ小屋ノ積藁ノ下ニアル
導火線ノ仕掛ヲ取リノゾカナイト、ワガロケットガ、ソノ上ヲ低空飛行シタノチ、一分以....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
う」 太刀川は、はいだしてくると、用意してあった弁当箱二つほどの大ききの火薬の
導火線に、火をつけた。 この火薬は、この海底要塞の様子をよく知っている石福海少....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
行機のあな蔵をみつけては、ダイナマイトを植えていった。時計を見て、時刻をはかると
導火線に火をつけた。さあ、あと三分間で爆発する。 そのうち空魔艦二機だけは、そ....
「獏鸚」より 著者:海野十三
どいところで見事に達成されたのだ。この字句の中には、爆薬が破裂するその一週間前に
導火線をもみ消すことができたとでもいうか、遂に開かないと思った落下傘が僅か地上百....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
にふれて置きたい。 一八九四年(明治二十七年)朝鮮に東学党の乱が起って、これが
導火線となって日清戦争が勃発するや、国内は戦争気分に瀰漫されるに到った。そして多....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
代の飛躍を試むべき時だ」と畑水練の気焔を良く挙げたもんだ。 果然革命は欧洲戦を
導火線として突然爆発した。が、誰も多少予想していないじゃないが余り迅雷疾風的だっ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
感じられる。童謡音楽会の時はこの奥さんが、私の「あわて床屋」をピアノで弾いたのが
導火線になった。だが一曲弾いただけですっと居なくなってしまった。若い学生たちの乱....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
かし今はそれが侮蔑の義に用いられて、気の早い連中の口論の場合に、「貴様」の一言が
導火となって、「貴様とは何だ」と早速相手をなぐり付ける実例は、しばしば世人の目撃....