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導線
「導線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
導線の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
夷弾ではなさそうだ、火が見えなかったから。 (翌朝見たら、油脂焼夷弾の筒の外被と
導線管であった。いずれも一メートルのもので、外被は英のすぐそばへ落ち、
導線管は私....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
銀座の西側に較べて東側の歩道は、東京の下町の匂いが強かった。柳の青い幹に電灯の
導線をくねらせて並んで出ている夜店が、縁日らしいくだけた感じを与えた。込み合う雑....
「白金神経の少女」より 著者:蘭郁二郎
、ものを考えるというと脳に電流が起るんですか」 「そうじゃ、その電流が神経という
導線を伝わって手や足に刺戟を与える、すると運動を起す、ということになるんじゃよ」....
「断水の日」より 著者:寺田寅彦
く聞きただした上で買って来たのを付け換えたら、今度はまずいいようである。ついでに
導線の接合をすっかりハンダで付けさせようと思ったが前の電気屋はとうの昔どこかへ引....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
破りの現場に虜になって後ろ手に縛られていながら、巧みにナイフを使って火災報知器の
導線を短絡させて消防隊を呼び寄せるが、火の手が見えないのでせっかく来た消防が引き....
「青年」より 著者:森鴎外
した」 「でもお暇がございましたらね」 奥さんが、傍に這っている、絹糸を巻いた
導線の尖の控鈕を押すと、遠くにベルの鳴る音がした。廊下の足音が暫くの間はっきり聞....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
えるのである。ところが、昨年の暮に仏国で試験したペルジョンノオ式というのは、長い
導線を引かずに無線で写真を電送するのだそうな。パリとマルセーユ間で試験の結果、好....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はまた異常な熱狂ぶりである。太い縄のようなものといったのは、流星に火を点ずる時の
導線となるもので、その中に火薬が詰めてあるとのことである。 桟敷は社外の畑に多....
「ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
で、呼吸《いき》をしながら、狂的な空虚《うつろ》な眼を光らせて、ピンセットで、誘
導線を直したり、スイッチを捻って、ベアリングの運動を試めしたり――そして、 「こ....
「新撰組」より 著者:服部之総
仔細に見れば、烈々たる士たり農たる諸要素はいわば鉄片であって、どこかブルジョア的
導線につながる一脈の黄色い火薬がこれと点綴していることが伺われる。この
導線こそ維....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
たちの内にある人格完成の電球と、外にあって私たちの人格を完成させようとする電気の
導線とは実はとっくの昔から設備が出来ておるのであります。天地が始まって以来、設備....