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小一時間
「小一時間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小一時間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
気じゃありません。麦藁帽子をかぶり直したり、袂《たもと》へ忍ばせた時計を見たり、
小一時間と云うものは、さっき店の帳場格子の後にいた時より、もっと苛立《いらだ》た....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
りますよ」 総監は口を緘したまま、首を振って悦びの色を示した。 僕はそれから
小一時間も付き添っていたであろうか。傷も案外急所を外れたことだし、総監もウツラウ....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
た。しかしそれからのちの、重大事件の説明は、すらすらと搬びませんでした。それは、
小一時間に渡った問答――というよりも訊問――が続いたのちのことです。何等かの決意....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
あわせて、肩をすくめて黙ってしまった。私も黙っていた。 三島から大仁までたった
小一時間、それが私に取っては堪えられないほどに長い暗い佗しい旅であった。ゆき着い....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
」 彼は、そろそろと柿の木から、すべり下りていった。 牛丸少年は、滝の前に、
小一時間もうろうろしていた。もうまっくらな中を、あたりを探しまわった。 「おーい....
「超人間X号」より 著者:海野十三
。棺桶は片隅《かたすみ》によせられ、蓋《ふた》があいているようであった。それから
小一時間のちのこと、ぱっと電灯がついた。ゆれる電灯の灯影《ほかげ》にうつったもの....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
ら、一向おもしろくないことを、一郎は、愉快でしようがないという風に見えた。彼が、
小一時間あまりも、それをつづけているうちに、どうしたわけか、ぷーんとへんな臭いが....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ん》へ連絡をとってみることにしよう。旗艦を呼び出したまえ」 「は」 それから、
小一時間も、哨戒艦隊は、なおも、そのあたりをうろうろしていたようである。だが、私....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、けわしい山の傾斜をそろそろと上り始めた。先生の指先はやぶれて、血が流れ出した。
小一時間もかかって、先生はやっと山の上に上りついた。
「さあ、このへんに違いない....
「火薬船」より 著者:海野十三
ほかないが、まだむこうでは、モロ警部の遭難さえ気がつかない様子だ。 それから、
小一時間ほどたってから後のことだった。巨人ハルクのとじこめられた倉庫の、通風窓に....
「雷」より 著者:海野十三
と、恐縮しきっている松吉を尻目にかけて、北鳴は宿の方へ帰っていった。 それから
小一時間経った後のこと、松吉はまだ少しフラフラする足を踏みしめながら、服装だけは....
「東京要塞」より 著者:海野十三
街を走っているのが聞えたので、ここはやはり東京市内だなと思った。 それからまだ
小一時間もトラックはごとごとと走った揚句、ごろごろと下り坂を下りてゆくような気が....
「暗号数字」より 著者:海野十三
解し、自分の心の弱さを軽蔑した。 食事がすんで時計を見ると、列車にのるまでまだ
小一時間もたっぷり余裕があったので、彼は窓ぎわに涼をとるような恰好をしながら、そ....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
の下町から地下鉄やバスに乗って、此の男達に連られて来たのであった。乗換えや色々で
小一時間の行程と、絶えず左右から挟まれて感ずる異性の漠然とした刺戟のために、彼女....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
?」と捨吉は中腰に伸上りながら、 「もうそんな時分かな。」 「いいえ、いつもより
小一時間遅いんですよ、」 という時、二枚|立のその障子の引手の破目から仇々しい....