小乗的[語句情報] » 小乗的

「小乗的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小乗的の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
比叡」より 著者:横光利一
んになって来た。しかし、定雄はそれにはあまり気附かなかった。彼は自身に頼る伝教の小乗的な行動が、いま現に、まだどこまで続くか全く分らぬ雪の中を、駕籠を捨てて徒歩....
「女らしさ」とは何か」より 著者:与謝野晶子
れ、儒教に由って「日に新たにしてまた日に新たなり」ということを学びながら、それを小乗的悲観の意味にばかり解釈して来たために、「万法流転」が人生の「常住の相」であ....
軍用鼠」より 著者:海野十三
稿用紙を右のように汚したが、これは探偵小説じゃないようだ。けっきょく探偵小説論の小乗的解析でしかないから、こんなものを編集局へさし出すわけには行かない。 彼は....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を、あなたはちっとも希望していらっしゃらないのだし、そんなことを又私もするような小乗的態度ではない、なくてよいのであるということを。 詩人だったひとは、持病が....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
よい空気も海もあなたが皆私へ下さるものという気になったらやっと安楽になりました。小乗的で滑稽だが、でも、この気持の中には私としては本当のものがあるのです。どうか....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
が、この頃又すこし進歩してね、表をつけなければならないのにムラだという結果からの小乗的注意からぬけ出て、一日を一杯に内容的に暮そうとすると、どうしても早ねも早お....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のようね。 いろいろぐるりの空気、文学上の空気が何しろこうですから、あなたが、小乗的愛を警戒なさるお気持は大変よくわかるわ。私がよく書くように、人間の生活の条....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
たのではなかろうか、良致氏が外国で家庭生活をもっていたことが、かえって武子さんを小乗的《しょうじょうてき》にしてしまったのかもしれない、仏教のことばなんかつかっ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
そ、高尚幽雅な宗教のように取られやすいのであります。が、しかし、それは仏教で言う小乗的の教義であります。かかる宗教は案外|容易いのであります。 多少欲を殺し逃....
三国志」より 著者:吉川英治
ある。恩人の危うきにつけこんで、その国を奪うようなことは忍び得ない」 「このさい小乗的なお考えは捨て、大義に生きねばなりますまい。いま荊州を取っておかなければ、....
三国志」より 著者:吉川英治
も、遂に、玄徳の逡巡を今はゆるさなかった。 「よくわかった。予の思慮はまだ余りに小乗的であったようだ。予がこのまま黙っていたら、かえって、魏の曹丕の即位を認めて....
大岡越前」より 著者:吉川英治
身の使命の大を、自覚しておいでにならぬ。残念じゃ。わしが、御意見申して、さような小乗的なお考えはひるがえしてもらおう」 「そうは参りませぬ。あのお方が、ひとたび....