小亭[語句情報] » 小亭

「小亭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小亭の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
に呼ばれて麻川氏も大はしゃぎだ。婆やのお駒が私の部屋へ来て、芝生越の樹立ちの中の小亭を指して云う「大川さんが来る前は書き物をするからあすこへ閉じこもると仰るので....
河明り」より 著者:岡本かの子
再び出て来て挨拶した。茶の湯の作法は私たちを庭へ移した。蔵の中の南洋風の作り庭の小亭で私達は一休みした。 私は手持不沙汰を紛らすための意味だけに、そこの棕櫚の....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
・ノートル式の花苑になっていた。花苑を縦横に貫いている散歩路の所々には、列柱式の小亭や水神やサイキあるいは滑稽な動物の像が置かれてあって、赤煉瓦を斜かいに並べた....
丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
望遠鏡でさらにせばめられる。これらの人のために、この大建築から離れた所に、小さな小亭が建てられている。ここへ来れば自分の住まっている建築が目ざわりにならずに、自....
源氏物語」より 著者:紫式部
広くて、海岸のほうにも、山手のほうにも大きな邸宅があった。渚《なぎさ》には風流な小亭《しょうてい》が作ってあり、山手のほうには、渓流《けいりゅう》に沿った場所に....
東上記」より 著者:寺田寅彦
白くもなし湊川へ行て見んとて堤を上る。昼なれば白面の魎魅も影をかくして軒を並ぶる小亭|閑として人の気あるは稀なり。並木の影涼しきところ木の根に腰かけて憩えば晴嵐....
碑文」より 著者:豊島与志雄
まま、ただ細い呼吸を続けていました。 月光の美しい晩のことでありました。広庭の小亭で、二十五歳ばかりの青年がただ一人、ウイスキーを飲んでいました。白皙な顔容に....
白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
た。それで、荘一清が一人で何かと饒舌らねばならぬ立場に置かれましたが、池の中間の小亭にさしかかりました時、その小亭の両の柱に、「北冥之鯤。」「南冥之鵬。」という....
三国志」より 著者:吉川英治
」 「丞相おんみずからご案内に立たれるだけでも、恐懼の極みであります」 「酒席の小亭は、まだ彼方の梅渓をめぐって、向う側にある眺めのよい場所だよ」 ――と、俄....