小倅[語句情報] »
小倅
「小倅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小倅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
寝ているのを発見した。加藤清正は笠の下から、じっとその童児へ目を落した。
「この
小倅《こせがれ》は異相《いそう》をしている。」
鬼上官《おにじょうかん》は二言....
「わが町」より 著者:織田作之助
せる気イやったら、わいはとっくにこの子を笹原へ遣ったアる。しかし、〆さん、笹原の
小倅みてみイ、やっぱり金持の家でえいように育った子オはあかんな。十やそこらで、お....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、 「その手は食わん、金箱というのは、茂太《もた》とやら茂太《しげた》とやらいう
小倅《こせがれ》のことではない、そのほかに確かに見届けたものがあるのじゃ。若い綺....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る」 「兵馬――なんの」 芹沢でない一人は、冷やかに言い切った。 「君は兵馬を
小倅《こせがれ》と侮《あなど》っているが、なかなかそうでないぞ、あれほどに腕の立....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
にも覚悟がござりまする」 「ナニ、覚悟がある? 覚悟とはどうしようというのじゃ、
小倅《こせがれ》の分際《ぶんざい》で」 「町奉行へ訴えて出まする」 「町奉行へ何....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つ思い浮んだのは、ほかじゃございません、甲州の山の中から出て来た勝っ気で勘定高い
小倅《こせがれ》が一人、あの近所に住んでいるんでございます、こいつが田作《ごまめ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りのあるべきはずもなかろうではないか。 ただ一つ、思われるのは例の茂太郎という
小倅《こせがれ》が、天馬往空の悪い癖で、今度は河岸《かし》をかえて東北地方へでも....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
ものでさ」 貞吉も、もう二十九であった。青年たちは二十五六が大将株で、十七八の
小倅まで、背広にクワエ煙草というアンチャンの方式通りの姿であった。 貞吉は失わ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
言い言いしたそうです。そのタクラミは七重にも八重にもいりくんでいて、尋常ではあの
小倅に太刀打ちできる者はこの小田原には一人も居なかろうと言ってましたよ。何を企ん....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の話では二十三四からぐれたそうだ。オレが鬼のウチから出たころ二十ぐらいの生意気な
小倅だったが、まだ身持ちがわるくはなかった。石松は兄に反して学問ギライ、遊び好き....
「雪の宿り」より 著者:神西清
かしこの山の陰から、ちょろちょろと小鼠のように逃げ走る人影がちらつきます。難民の
小倅どもがまだ諦めきれずに金帛の類を求めているのでございましょう。……こうしてさ....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
たんだよ!」 「え、ほんとうか、途方もねえ話だ! あんな素晴らしい上玉を、あんな
小倅に横取られた日にゃア、俺らの商売は成り立たない! さあさあ皆な追っかけろ!」....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
生長なるのだ。そうしてここの家督を継ぐのだ。これ迄は、父親のない、貧しい浪人者の
小倅として、どこへ行っても、肩身が狭かったが、もうこれからはそんなことはないのだ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
てて転がった。小太郎は蒼白《まっさお》な顔をして、突立った。
「やいっ、仙波っ、
小倅」
小藤次は、刀へ手をかけて怒鳴った。
「うぬは、もう、素浪人だぞっ。土足....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
の義経をほろぼして、次は範頼……次は頼朝……。おお、まだある。頼朝には頼家という
小倅があるとやら……これも、助けては置かれぬ奴、勿論呪い殺しまする。その弟も……....