小児科[語句情報] »
小児科
「小児科〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小児科の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
思う頃、末の児は意外な発熱の状態《ありさま》に陥入った。新開地のことで、近くには
小児科の医者も無かった。村医者があると聞いて、来て診《み》て貰《もら》ったが、子....
「新生」より 著者:島崎藤村
物に連なる長い病院風の廊下を突当ったところにあった。この病院へ通う博士の厚意で、
小児科の病室の明いたところが嫂に貸し与えられてあった。岸本嘉代とした黒い札の掲げ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
改めてネクタイを結び直しながら聴いている。 「鼻が詰って口で息をするものだから、
小児科のお医者さんに診せたのだよ。すると、喉にアデノイドがあるというのだよ。アデ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
、黒い煤のようなものを吐くようになった。 「それあ少し乱暴でしたね。」 庸三は
小児科の先生に嗤われたが、子供をあまりいろいろな場所へ連れ行くのはどうかと、人に....
「爛」より 著者:徳田秋声
四十四 ふとした感冒から、かなり手重い肺炎を惹き起した静子が、同じ区内のある
小児科の病院へ入れられてから、お増はほとんど毎日そこに詰めきっていなければならな....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
可愛らしくいらっしゃいましょう。鶴子様位の御子様を見ます度に思い出されます。毎朝
小児科の方に三つ四つの床を作りに参りますが、此の頃では子供も慣れて言葉をかけ、ま....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
工の学士、博士、俳優、いずれの道にも、知名の人物が少くない。揃った事は、婦人科、
小児科、歯科もある。申しおくれました、作家、劇作家も勿論ある。そこで、この面々が....
「子を奪う」より 著者:豊島与志雄
た。そして少しも食慾がなかった。身体全体に力がなくて、顔色も失せていた。 彼は
小児科の医者に来て貰った。三時頃、医者はやって来て診察をした。依子はどう取扱われ....
「帰京記」より 著者:豊島与志雄
たので、四歳になる末の子が軽い大腸カタルを起したらしい。そこで、妻はかねて懇意な
小児科医の宇都野研氏のところへ見せに行き、丁度病室もあいてたので、病児を主に、妻....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
して一つの専門に限局せずに、何でもやった。内科は無論、外科もやれば婦人科もやる、
小児科もやれば耳鼻科もやるというので、夜半に引きつけた子供の患者などは幾たりも来....
「火の扉」より 著者:岸田国士
よつと池内先生にご相談してみましたの」 池内先生というのは、I市に開業している
小児科兼内科医で、現にいま部屋を借りている池内家の近親に当り、東京からの疎開先を....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
接していて其所に長屋の総井戸が、ちょうど師匠の家の台所口にある。隣家は津田という
小児科の医者、その隣りが舟大工、その隣りが空屋であったが、近頃其所へ越して来た母....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
材木の頭にむしろを冠せたのが覗いている露地口には筍のように標柱が頭を競っている。
小児科の医者、特許弁理士、もう一つ内科呼吸器科の医者、派出婦会、姓名判断の占師、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
時々、 (旨い、)なんて小児のような洒落をいうんだ。 そうしちゃ、 (私は
小児科はいかんよ。)は可うがしょう。 お夏さんがね、ばたりと畳へ手を支いた、羽....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
をしたり、時には産婆をもしたのである、婦人等は皆彼を非常に褒めて名医である、殊に
小児科、婦人科に妙を得ていると言囃していた。が、彼は年月の経つと共に、この事業の....