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小出し
「小出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ていた。大事の路用は胴巻に入れて肌に着けていたので、これは無難であった。財布には
小出しの銭を入れて置いたに過ぎないので、その損害は知れたものであったが、娘ひとり....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んだから、いかにも少し右門を甘く見すぎたものですが、いずれにしてもかれが草香流を
小出しにするに及んでは、たとえそこに白刃の林が何本抜きつれあってきたにしても、も....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
が、右門があごをなでなでゆったりとそれへ乗ると同時に、がぜんそこから例の右門流が
小出しにされだしました。 「行き先は八丁堀じゃ。それもゆっくりでよいぞ」 のみ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
り変なことをしすぎるために少々うだってしまったものか、伝六がとうとうお株の気短を
小出しにさせて、ちえッと舌鼓を打ちながら、そのそでを引きました。 「あきれちまう....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
っていたといいますぜ」 「よしッ。もう眼はたしかだッ。じゃ、ちっとばかり草香流を
小出しにしようぜ!」 蝋色鞘《ろいろざや》をずっしりと落として差してゆうゆうと....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
においがしみてるじゃねえか」 そろそろ右門一流の気味がわるいほどな明知のさえを
小出しにしかけて、じっとその手紙の文字と、まだそばにころがしたままであるさきほど....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ておきゃたくさんですからね」 「だから、ひとつ顔を洗い直して、今からその右門流を
小出しにするかね」 「今から?」 「不足かい」 「だって、兵糧《ひょうろう》をつ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たこちらにてがらをいただかなくちゃならねえんだ。では、ひとつ生きのいいその知恵を
小出しに出かけますかね」 「行くはいいが、どけへ出かけるんです」 「知れたこった....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
いうようなものが欠けていたせいでもある。だから、このようにこせこせした意見だけを
小出ししているわけだった。衝動的にしか物ごとが考えられず、従って行動出来ず、自尊....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
中身は空虚だが。そこがまた恐ろしくいいところだ。で、折角大事にして、ちょくちょく
小出しに使うがいい。しかし俺には用はねえ。そんな物は邪魔っけだ。……ふふん、これ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
が、開けない以上は、誓って、一冊の旅行案内といえども取出さない事を盟約する。
小出しの外、旅費もこの中にある、……野宿する覚悟です。 私は――」 とここで....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
はこういう素朴な人情は知性的にハッキリ処理することが大切だと考える。人情や愛情は
小出しにすべきものじゃない。全我的なもので、そのモノと共に全我を賭けるものでなけ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
違って。……」 「そ、そんなんじゃねえ。真正間違いのねえおせんの爪を紅の糠袋から
小出しに出して、薬罐の中で煮てるんだ。そいつも、ただ煮てるんならまだしもだが、薬....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ものの観察である。彼がああなる前に収穫した籾が、俵に五六十残っているが、そいつを
小出しに、ぽつぽつ食っているらしいとのことでもあった。 「こないだ郵便物が来たか....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
する時は、都人士の夢想にも及ばざる粗大頑強のものたるは言うまでもなし。 さて、
小出し桶に受取りし餌を摘み取り、糸女、沙蚕三十筋ばかりと、袋餌数筋を刺す。其の状....