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小利口
「小利口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小利口の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
してはならない」とデュパンが言った。「パリの警察は明敏だと褒められているが、ただ
小利口なだけなんだよ。彼らのやり方には、ゆきあたりばったりの方法以上に、方法とい....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
いで「何時御婚礼を成されます」と問い返した辛さは真に察して貰い度い。
第十七回
小利口な前置き
「何時御婚礼を為されます」との余の問いに、叔父は甚く驚いた様子....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
聞かされて、なんだか不安心にもなったので、あとから様子を窺いに来たんです。佐吉も
小利口ではあるが、年も若いし、これも悪い人間じゃあないんですから、岡っ引なぞに探....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たぐいでも、攘夷のためとか御国の為とか云えば、これに勿体らしい口実が出来るので、
小利口な五右衛門も定九郎もみんな攘夷家に早変りしてしまった。しかし相手の方もだん....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ろうとも、妹をくれようともいう者はないので、庄屋も始末に困っていると、そのなかで
小利口な一人がこんなことを言い出した。 「では、どうだろう。このあいだから重助の....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
使の中でも、どっちかといえばお人好しで、他人を批難することの出来ない男が、いつも
小利口に立ちまわる者達の、下廻りをしなければならないと同じような状態なのであった....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
にして居ります、旦那可愛がって遣って、あんな奴でも一寸泥水へ這入った奴で、おつう
小利口なことをいうが、人間は余り怜悧ではないがね、もし旦那、お相手によければ差上....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
自然そのままのような時もある、形式ずくめで定《き》まりきったような時もある、悪く
小利口な代もある、情慾崇拝の代もある、信仰|牢固《ろうこ》の代もある、だらけきっ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
てるからそんなことをいうんだろう、だれがなんといってもおれはなぐる、あいつは一体
小利口で陰険だぞ」 「そうだそうだ」とみなが賛成した。 「いつか生蕃カンニング事....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
わせてもらえば、ここまで書いてきた日本橋で、私《あたし》という子供が、すこしでも
小利口に見えるようならば、書きかたが大変わるく、なっていないのだ。一月ほど前に北....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
人として、彼女が日曜日に二度も礼拝に欠席したことをほのめかす者はなかった(拙劣な
小利口さである。)アンナはこのごろ加減が悪いと言ったり、仕事のことを話したりした....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
するんだ。一文なしじゃ食うことも出来ねえ」 「待ったり待ったり」 と云ったのは
小利口の三男月丸であった。 「これには訳がありそうだ。……ううむ秘密はここにある....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のだ。ついでながら、彼はこの著書を深く固く信じていたのである。 じじつ、彼には
小利口で抜け目のないところと、単純にものを信じやすいところとが妙にまじりあってい....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を求めて権門|貴戚に伺候するは魯か、先輩朋友の間をすらも奔走して頼んで廻るような
小利口な真似は生得出来得なかった。どうにかしなければならないと思いつつもどうにも....