小半日[語句情報] » 小半日

「小半日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小半日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二銭銅貨」より 著者:黒島伝治
は木質からして異《ちが》う。 しかし、重いだけ幼い藤二には廻し難かった。彼は、小半日も上り框《かまち》の板の上でひねっていたが、どうもうまく行かない。 「お母....
新生」より 著者:島崎藤村
は園子の友達でもあった。この特別な親しみのある人は神戸行の途中で岸本を引留めて、小半日代々木とも一緒に話し暮したばかりでなく、別離《わかれ》の意《こころ》を尽す....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い頃に座を起とうと思ったが、市蔵が如才なく引き留めて帰さないので、とうとうここに小半日も居据わってしまった。市蔵は子分に送らせると云ったが、まだ明るいので半七は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 老人とわたしと差し向いで、五月の雨のふる日曜日を小半日も語り暮した。時節柄で亀戸の藤の噂が出た。藤の花から藤娘の話をよび出して、....
苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
てみせた。そしてへ、へえ、へえと笑った。 ――よし! ―― と、俺は快活に、小半日もへタバッていた倉庫の空地から尻を払って起きあがった。そして灰のような埃を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はこれというような掘出し物もなかった。お葉のさしていたらしい櫛が一枚あらわれた。小半日をついやして、これだけの獲物しかないので、役人たちも失望した。それから家内....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
あろうはずもない器物までが、どうかすると陰と陽との姿になって彼の目に映って来た。小半日暮らした。その彼が周囲を見回したころは夕方に近い。お民は本家の手伝いから帰....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
きりなので、その事件を知る筈がなかった。 領事警察の刑事隊が、変装して用心深く小半日も張り込んだ結果、とっつかまえた代物は、自分で自分の身体さえ支え切れないほ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
といっても、一丁目から二丁目にかけて軒別に探しまわるのは容易でない。父はほとんど小半日を費して、ついに安達という家を見いだし得ないで帰った。あるいは他人の家に同....
雪の宿り」より 著者:神西清
より東は室町小路を界におおよそ百町あまり、公家武家の邸をはじめ合せて三万余宇が、小半日の間に灰となり果てたのでございます。そうなりますと町なかで焼け残っている場....
」より 著者:岡本綺堂
一杯飲むことになった。文字友は前にもいう通り、女の癖に大酒飲みだから、いい心持に小半日も飲んでいるうちに、酔ったまぎれか、それとも前から思召があったのか、ここで....
」より 著者:岡本綺堂
といっても、一丁目から二丁目にかけて軒別に探しまわるのは容易でない。父はほとんど小半日を費して、ついに安達という家を見いだし得ないで帰った。あるいは他人の家に同....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
ところへ行くことはありません。たとい近所へ行くにしても必ず断って出る筈ですから、小半日もその行くえが知れないとなれば、ひと騒ぎでございます。ましてことし十八とい....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
う。 そして、食い納めであるから、蝗を捕ってきてくれと、娘に命じたところ、娘は小半日ばかり稲田のなかを歩きまわって帰り来り、今年は蝗がいませんと言って、茶袋を....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
し振りで狸汁の珍味に酔うたのである。 月の輪熊の方は、その翌日とろ火にかけて、小半日ばかり湯煮して、やわらかに煮あげ、それを里芋、牛蒡、焼豆腐と共に旨煮にこし....