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小半時
「小半時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小半時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
くねんと突っ立ったまま、池の中の蓮《はす》の実の一つに目を定めて、身動きもせずに
小半時《こはんとき》立ち尽くしていた。
八
日の光がとっぷりと隠れてしまっ....
「或る女」より 著者:有島武郎
もなく天井の木目《もくめ》を見やっているのも、珍しい事のように快かった。
やや
小半時《こはんとき》もそうしたままでいると、帳場でぼんぼん時計が九時を打った。三....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
あが》った額からは汗の玉がたらたらと流れ出た。それが仁右衛門には尊くさえ見えた。
小半時《こはんとき》赤坊の腹を撫で廻わすと、笠井はまた古鞄の中から紙包を出して押....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
何か話していた。店のものは思い思いに自分の受け持ちの用向きに取りかかった。やがて
小半時《こはんとき》も経ったかと思うと、今まで眠っているように見せかけていた半七....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら、手酌でぼんやり飲んでいると、そこらの森では早い蝉の声がきこえた。 それから
小半時を過ぎたかと思われるのに、亭主は再び顔を見せなかった。女中も寄り付かなかっ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
きざした。さあ、誰ぞ来てやってくれ、ちっと踞まねえじゃ、筋張ってしょ事がない、と
小半時でまた理右衛門|爺さまが潜っただよ。 われ漕げ、頭痛だ、汝漕げ、脚気だ、....
「蠅男」より 著者:海野十三
んで協力を申出でた。そこで三人は、鼠のようになって、古書の山を切り崩していった。
小半時間も懸ったであろうか。 「うむ、あったぞッ!」 と、突然帆村が叫んだ。カ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
が、半蔵の二の舞はおそろしいので、誰も進んで奥へ見とゞけに行くものがない。しかし
小半時ほど立っても、奥の座敷はひっそりとしているらしいので、三人が一緒に繋がって....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
う御談義だ。あの手合はあんな事さえ云ってりゃ、飯が食えて行くんだと見えらあ。物の
小半時も聞かされちゃ、噛み殺して居た欠伸の御葬いが鼻の孔から続け様に出やがらあな....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
。船は小さし、胴の間へ突立って、釣下って、互違に手を掛けて、川幅三十|間ばかりを
小半時、幾度もはっと思っちゃ、危さに自然に目を塞ぐ。その目を開ける時、もし、あの....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
然ざぶりと、少え人は衣服の裾を掴んだなりで、川の中へ飛込んだっけ。 押問答に、
小半時かかればとって、直ぐに突ん流れるような疾え水脚では、コレ、無えものを、そこ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
あろう。 先刻に氷月の白い柳の裏木戸と、遠見の馬場の柵際と、相望んでから、さて
小半時|経っている。 崖下ながら、ここの屋根に日は当るが、軒も廂もまだ雫をしな....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
夕食前の
小半時、巴里のキャフェのテラスは特別に混雑する。一日の仕事が一段落ついて、今少し....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
見ておりました。何をしたか分りません、障子|襖は閉切ってございましたっけ、ものの
小半時|経ったと思うと、見ていた私は吃驚して、地震だ地震だ、と極の悪い大声を立て....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
が思う壺にはまったので、千生は内心得意であった。 二 千生はそれから
小半時ほども話して帰ると、入れちがいに今戸の中田屋という質屋の亭主金助が来た。金....