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小名
「小名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
、世々|尾紀水三家《びきすいさんけ》の次を占めている。勿論、裕福な事も、当時の大
小名の中で、肩を比べる者は、ほとんど、一人もない。だから、その当主たる斉広が、金....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
先から大手まで、厳しく門々を打たせてしまった。これを見た大手先《おおてさき》の大
小名の家来《けらい》は、驚破《すわ》、殿中に椿事《ちんじ》があったと云うので、立....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
いう証券として心のうちに銘じた。 晴々とした心持であった。そこに並んでいる大名
小名百二十名は、ことごとく忠直卿に賛美の瞳を向けているように思われた。 彼は今....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で陸を帰り、主人側三人と女中三人は船で帰ることになって、船頭の千太が船を漕いで、
小名木《おなぎ》川をのぼって行きました。御承知の通り、深川は川の多いところですが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《こびなた》という所があります。小日向はなかなか区域が広く、そのうちにいろいろの
小名《こな》がありますが、これから申し上げるのは小日向の水道|端《ばた》、明治以....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
田川岸に在った。それが都会の新文化の発展に追除けられ追除けられして竪川筋に移り、
小名木川筋に移り、場末の横堀に移った。そしてとうとう砂村のこの材木置場の中に追い....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
け出した榊原などは、むかしから有名になっていますが、まだその外にも廓通いをした大
小名は沢山あります。しかも遠い昔ばかりでなく、文化、文政から天保以後になっても、....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
、橋の欄に凭りて立つ。月明らかにして虫の声きこゆ。) 頼家 鎌倉は天下の覇府、大
小名の武家小路、甍をならべて綺羅を競えど、それはうわべの栄えにて、うらはおそろし....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
、東西の両道を南下する豊臣勢には敵すべくもなく、忽ち崩潰した程であるから、沿道の
小名|郷士の輩は風を望んで秀吉の軍門に投じたのであった。 秀吉は此一円を、始め....
「形」より 著者:菊池寛
士であった。 そのころ、畿内を分領していた筒井、松永、荒木、和田、別所など大名
小名の手の者で、『鎗中村』を知らぬ者は、おそらく一人もなかっただろう。それほど、....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
時に当り、彼等が割合に内部の腐敗を伝えなかったのは、思うに将軍家を始めとして大名
小名は勿論苟も相当の身分あるもの挙げて、茶事に遊ぶの風を奨励されたのが、大なる原....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
礼を述べ、あわせて其の結果を一応報告する務めがあるとも思ったので、かれは諸国の大
小名から進物として贈って来た修禅寺紙、有馬筆、伊勢|荒布の名産を中間に持たせて行....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
ウを買う事になっていたとは興味ある現象であると謂わねばならぬ。ミョウすなわち大名
小名の「名」で、もと名負地すなわち名田を意味する。名田を有し、それ相当の貢租賦役....
「エタと非人と普通人」より 著者:喜田貞吉
があった。鎌倉以来の名族・旧家は大抵この際に潰れてしまって、到る処に新しい大名・
小名が蜂起する。非人三党の輩といえども守護国司の望みをなすべく、如何ともする能わ....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
たる鎌倉武士らは、相変らず家人という国法上では賤民の名称を有しながら、事実は大名
小名となり、国法上良民であるはずの百姓らを、脚下に踏みにじるほどの高い身分となり....