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小吏
「小吏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小吏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
をもって粗末な仮小屋が設けられていた。手《しゅ》医師の何某《なにがし》が、三人の
小吏と、二人の与力と一緒に待っていた。 死体は、案のごとく、首だけは梟木の上に....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
知事大いにその意を諒とし、すでに一年四、五十円の入費で存置を認可しおるに、郡村の
小吏ら今に明治三十九年の勅命のみを振り舞《まわ》し、その後の訓示、内達等を一切知....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
まじ》りの雪道を、おつぎさんの凍った身体は藁蓆《むしろ》の上に載せられて、巡査|
小吏《やくにん》なぞに取囲まれて、静に担がれて行きました。薦《こも》が被《か》け....
「賈后と小吏」より 著者:田中貢太郎
盗尉部の
小吏に美貌の青年があった。盗尉部の
小吏といえば今なら警視庁の巡査か雇員というとこ....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
っていた温が長安に還ったので、李がその寓居を訪ねた。襄陽では、温は刺史徐商の下で
小吏になって、やや久しく勤めていたが、終に厭倦を生じて罷めたのである。 温の机....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
た事には、珍しくもない話だけれど、金の出処《でどころ》がない。 父は其頃県庁の
小吏であった。薄給でかつがつ一家を支えていたので、月給だけでは私を中学へ入れる事....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
梯子《はしご》をかけても及ばないところにその着眼と規模とがあって、長崎の微々たる
小吏でありながら、諸侯の力を借りずに独力でもって大事を行うほどの実力を持っていた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
するに、貧民は早や食ふと食はぬの界に臨みたるなれば、各《おのおの》死憤の勢ありて
小吏等万般説諭なせどもなかなかに鎮まらず、或は浅草今戸町その外処々の辻々へ貧窮人....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
大なる間違いなる可し。余曾て言えることあり。男子の心は元禄武士の如くして其芸能は
小吏の如くなる可しと。今この語法に従い女子に向て所望すれば、起居挙動の高尚優美に....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
や家産《かさん》の豊《ゆたか》なるを得て、仲間《なかま》の栄誉を取るべき路はただ
小吏たるの一事にして、この吏人《りじん》たらんには必ず算筆の技芸を要するが故に、....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
の任また重しと言うべし。 豈《あに》ただ数巻の学校本を読み、商となり工となり、
小吏となり、年に数百の金を得てわずかに妻子を養いもってみずから満足すべけんや。こ....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
。新比翼塚は明治十二、三年のころ品川楼で情死をした遊女|盛糸《せいし》と内務省の
小吏谷豊栄|二人《ににん》の追善に建てられたのである。(因《ちなみ》にいう。竜泉....
「福沢諭吉」より 著者:服部之総
れぬ一洋学道場の建設にあえて捧げたのである。この時はじめて彼は、昨日までの中津藩
小吏としての、「翻訳職人」の旗本としての、投機的著訳業者としての、無力な灰色のイ....
「三国志」より 著者:吉川英治
え。軍功さえ立てれば、正規の官軍に編入されもするし、貴公らにも、戦後、何か地方の
小吏ぐらいな役目は仰せつかるから」 などともいった。 張飛は、 「ばかにして....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
下さい」 「いや。安心どころか。愚老は寝られませぬ」 「はははは。忠相のごとき、
小吏の代りは、いくらでも、世間に人がおりますよ。――ただこの際、幸い、自分が先に....