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「小味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小味の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
才覚で、おれを向こうに回そうとおっしゃるのですかい。大味のようならこっちも大味、小味に出ればこっちも小味、むっつり右門にゃいくらでも隠し札があるぜ」 「恐れ入っ....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
かい棗形の顔や、上まぶたの弓なりに張った眼。縞の着物と羽織とを着て、帯や帯どめに小味な趣味を示していた素子は、日頃友人のすくない伸子に魅力を感じさせた。佃との生....
道標」より 著者:宮本百合子
二頭の馬にひかれた荷車が通ってゆく。頻繁で多様なそれらの車馬の交通は、街の騒音を小味に、賑やかに、複雑にしている。こうしてウィーンの街はどっさりの通行人にみたさ....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
。 しかしながら、画品と心の高さ、高尚な気位いちょっとした筆触の面白さ、部分の小味等においては日本人はかなりうまい仕事の出来る人種である。 日本人の油絵の共....
那珂川の鱸釣り」より 著者:佐藤垢石
ど小物釣りにはいささか飽いてきたようである。なるほど、おいかわや鮭の子釣りには、小味の趣があって人に知れない楽しみを、柔らかい竿先に感ずるのであるけれど、それば....
好日」より 著者:三好十郎
、山口さんじゃ、少し小取りまわしが利かんで、力仕事になり過ぎるかな。伊坂君じゃ、小味に過ぎて大劇場には向かんと言う難も有るが、でも結局、トータルから押せば、こい....
鱧・穴子・鰻の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
する。こうして、一分間ばかり蒸らし、箸で肉をくずしつつ食べるのである。 はもは小味ないい脂肪があるために、味が濃くなく、舌ざわりがすこぶるいい。しかも、やり方....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
』の歌仙などは、句ごとの聯絡にポウズ(停止)があり、また苦吟がある。それを一概に小味という名で片付けられぬわけは、後代の復興期などと言われる天明の俳諧と比べてみ....
生き烏賊白味噌漬け」より 著者:北大路魯山人
が認められて、やりいかは、やすっぽく扱われているが、新しくさえあればやりいかほど小味で、微妙な美味さをもったものはないのである。生きているやりいかの皮を剥いで刺....
筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
したい。孟宗の終るころ、はちく・やだけ・まだけが出て、孟宗の大味にひきかえ、乙な小味を楽しませてくれる。 (昭和十三年)....
若鮎の気品を食う」より 著者:北大路魯山人
まらない。頭から尾先まで二寸から二寸五分というくらいの大きさが若鮎の初物で、その小味はたとえようもない。若鮎には気品の高さというものがある。その気品の高さは出盛....
若狭春鯖のなれずし」より 著者:北大路魯山人
大阪にも見るを得ないのが若狭小浜のさばである。とても下魚とは思えないまでに上品な小味をもち、一度口にしたら忘れがたい風味をもつ美肴である。 〆さばにして刺身代....
猪の味」より 著者:北大路魯山人
親猪は脂が多く、肉も粗にしてかたい。仔猪は肉がやわらかく、脂も豚肉の三枚に似て小味である。もちろん、この野生動物は脂の乗る冬が美味い。また大雪の積もる雪国に産....