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「小太鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小太鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
セロ弾きのゴーシュ」より 著者:宮沢賢治
狸の子は俄《にわか》に勢《いきおい》がついたように一足前へ出ました。 「ぼくは小太鼓《こだいこ》の係りでねえ。セロへ合わせてもらって来いと云われたんだ。」 「....
旧主人」より 著者:島崎藤村
でおりましたのです。長野から来た楽隊の一群は、赤の服に赤の帽子を冠って、大太鼓、小太鼓、喇叭《らっぱ》、笛なぞを合せて、調子を揃《そろ》えながら町々を練って歩き....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
手 ベルが鳴った――騒音のなかに、ベルは声高く鳴り響いた。 拍手 大太鼓。小太鼓。喇叭《らっぱ》――クラリオネット。タンバリンはブリキのバネ仕掛の汽船のよ....
光と風と夢」より 著者:中島敦
された。黒い沼。緑のマングロオヴ。赤い蟹《かに》、蟹、蟹。街に入ると、パテ(木の小太鼓)が響き、華やかな服を着けた土人の娘達が教会へはいって行く。今日は日曜だっ....
昭和十五年度の文学様相」より 著者:宮本百合子
ということになった。 従ってその動きでは、雷の親のうつ太鼓を雷の子どもも自分の小太鼓でうちたたく姿があらわれ、文学の重く痛切な流れは左右の岸を洗いつつ自身の流....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
た。 まず篳篥の音がした。つづいて笙の音がした。搦み合って笛の音がした。やがて小太鼓が打ち込まれた。 ……それは微妙な音楽であった。邪教に不似合いの音楽であ....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
なかったけれども、人形がそれぞれに一つ――例えば、官女の檜扇には根付、五人囃しが小太鼓の代りに印伝の莨入れを打つと云った具合で、そのむかしお筆を繞り粋を競った通....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
ほうに、ぼんやりとした払暁の乳白色が流れこんできた。どこか遠いところで、急調子に小太鼓《タンブール》を打つ音がしていた。 廊下の反対の側から、大勢の重々しい跫....
曲馬団の「トッテンカン」」より 著者:下村千秋
が、みんな赤いズボンをはき、大きなラッパ、小さなラッパ、クラリオネット、大太鼓、小太鼓などを持って、足並そろえて調子よく行進曲を吹き鳴らして来ます。 さてその....
小説 円朝」より 著者:正岡容
席の一番太鼓がドロドロドロンとすぐ八百春の後のほうで鳴りはじめた。つづいて大太鼓小太鼓入りみだれて賑やかに二番太鼓が囃《はや》されてきた。 「親方あれは」 慈....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
三好も万橘もかしくも鯉かんも勝次郎も歌六も、その高座の最後において楽屋の大太鼓、小太鼓賑やかに、よくこんな甚句を諷っては、瓢々と下りていった。いでや私もその顰《....
絵画について」より 著者:三好十郎
妬したり邪魔にしたりして否定しているだけであって、鳴りはためいている大太鼓の中で小太鼓が騒いでいるようなものであって格別の意味をなす発言だとは思われない。なおわ....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
は光り輝く。やがて、主屋の方にて馬の嘶き、騎士の吹く角の笛、また真鍮の喇叭の音、小太鼓の音と合せて、領主の万歳を呼ぶ声、騒がしく、賑わしく響き来る。両人これに驚....
樹氷」より 著者:三好十郎
の七、八人の足音。ラッパ鼓隊とは言いながら、ラッパはなく先頭の三人が肩から吊した小太鼓を二本のバチでバババン、バババンと叩きならして、それに歩調を合して進んでく....