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小官
「小官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小官の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
消し打消し歩いた。 「大河とみ」の表札。二階建、格子戸《こうしど》、見たところは
小官吏《こやくにん》の住宅《すまい》らしく。女姓名《おんななまえ》だけに金貸でも....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
は、むしろ一国の政府自身としても当然考えなければならない事のように思われる。単に
小官衙の片すみの一課などに任しておくべきものではないとも思われる。 もっともい....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
大総督の足許に、身体をこまかく震わせていたが、 「はい、そのとおりでございます。
小官はあらゆる捜索機関に命令を下しまして、念入りに取調べさせたのでございますが話....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
もこの点に就いて、学生層は一般インテリゲンチャ層の他の部分(例えばサラリーマン・
小官吏其の他)と異った条件を有っていることを注意しなければならない。現代学生層は....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
上どう限定されているものかは一向判らないのだが(常識では中以下の銀行会社員や精々
小官吏などを意味しているようだが「社会科学」的にはどういうものか聞きたいと思って....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
を受けた分子又はそれ以上の常識所有者を包含するので、例えば一般のサラリーマン(中
小官公吏・社員等)は当然これに這入る最も目立った要素であるが、今はもっと狭い、或....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
」 とここで名告った。 八 「年は三十七です。私は逓信省に勤めた
小官吏です。この度飛騨の国の山中、一小寒村の郵便局に電信の技手となって赴任する第....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
で見ゆ。髪はこの手合にお定まりのようなお手製の櫛巻なれど、身だしなみを捨てぬに、
小官吏の細君などが四銭の丸髷を二十日も保たせたるよりは遥に見よげなるも、どこかに....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
イ細川、彼等全然でだめだぞ、大津と同じことだぞ、生意気で猪小才で高慢な顔をして、
小官吏になればああも増長されるものかと乃公も愛憎が尽きて了うた。業が煮えて堪らん....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
する。一挙両得、叱らずに叱られずにすむ妙諦《みょうてい》である。 そんな家から
小官員《こかんいん》さんの新家庭へゆくと、伯母さんは多い毛をお釜敷《かましき》の....
「雪ちゃん」より 著者:寺田寅彦
たのにこれらとはとにかく遊ばなかった。何故だろうと考えてみた事もあった。隣は多く
小官吏であったのである。 ある日の事、昼の休みに帰って来て二階へ上がろうとした....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
《ゆり》がおもかげをしたふとさけび小万茶屋がむかしをうたふもあめり、何事ぞや身は
小官吏の乙娘《おとむすめ》に生まれて手芸つたはらず文学に縁とほく、わづかに萩《は....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ら目撃してきた暴行の前において、いよいよ最後の決断を取らなければならないと思い、
小官も大官となり、一個の刑事巡査も長官となり、警官も法官となることが必要だと思い....
「金狼」より 著者:久生十蘭
ル》に坐っていた。 一人は縮みあがった綿セルの服を着た五十歳位の、ひどく小柄な
小官吏風の男。まるで顎というものがなく、そのうえ真赤に充血した眼をしているので、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
かけ、どうかするとヘルメット帽などを頂き、繻子の大洋傘をついて山野を渡る。土木の
小官吏、山林見廻りの役人か、何省お傭の技師という風采で、お役人あつかいには苦笑す....