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「小寒い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小寒いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蟹工船」より 著者:小林多喜二
が、手が届きそうな上を、マストに打ち当りながら、急角度を切って吹きとんで行った。小寒い雨がまだ止んでいなかった。四囲にもりもりと波がムクレ上ってくると、海に射込....
丹下左膳」より 著者:林不忘
穀物でも入れておくところらしいが……。 空いっぱいに茜《あかね》の色が流れて、小寒い烏の声が二つ三つ、ななめに夕やけをつっきって啼きわたるころ。 夕方を待っ....
廃墟から」より 著者:原民喜
り暗くなっていたし、片方に展《ひろ》がっている焼跡には灯一つも見えなかった。暗い小寒い路が長かった。どこからともなしに死臭の漾《ただよ》って来るのが感じられた。....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
ありったけに思えて、ぞっと水でも浴びた心地に、四谷の通りへ駆けて出ると、秋の夕の小寒い灯が、ここでも、何がなし、あたしの瞳にいぶかしく、映ったことを記憶《おぼ》....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
人の口から聞かされた。 東京パレス紀行 一 昭和二十六年陽春の小寒い夕まぐれ、宮尾しげを画伯、俳人S氏、温泉協会のA氏と四人で私は小岩二枚橋の....
寄席行灯」より 著者:正岡容
に思えて、ぞっと水でも浴びたここちに、四谷の通りへ駆けて出ると、ここでも秋の夕の小寒い灯が何がなし、あたしの瞳にいぶかしく、うつった。 これが、思い出の、そう....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
な火鉢に、榾火の燃き落しを運んで来る。「官員サンに何か出さねーとわるいぞよ――、小寒いに――、火でもくれないとわるいぞよ」という。洋服を着けた人は誰でも官員サン....