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小山
「小山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
せん。私は独り生き残りました。ほとんど町中を焼きつくした火と煙とに追われながら、
小山のように路を塞《ふさ》いだ家々の屋根の間をくぐって、ようやく危い一命を拾った....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
格の女が一人、大きな桶《おけ》を伏せた上に、踊り狂っているのを見た。桶の後ろには
小山のように、これもまた逞《たくま》しい男が一人、根こぎにしたらしい榊《さかき》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
そのほか、新藤源四郎《しんどうげんしろう》、河村伝兵衛《かわむらでんびょうえ》、
小山源五左衛門《こやまげんござえもん》などは、原惣右衛門より上席でございますし、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
し。」と一言《ひとこと》答えると、つかつかと彼の側へ進み寄って、すぐにその巌石を
小山のような肩へ抱《だ》き取った。そうして二三歩歩いてから、一度眼の上までさし上....
「或る女」より 著者:有島武郎
《ぼうじま》のネルの筒袖《つつそで》一枚を着たままで、目のはれぼったい顔をして、
小山のような大きな五体を寝床にくねらして、突然はいって来た葉子をぎっと見守ってい....
「或る女」より 著者:有島武郎
ったって木村がよこすんだからいいじゃありませんか」
「ばか!」
倉地は右の肩を
小山のようにそびやかして、上体を斜《しゃ》に構えながら葉子をにらみつけた。葉子は....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
方ほどの小屋が、前のめりにかしいで、海月《くらげ》のような低い勾配《こうばい》の
小山の半腹に立っていた。物の饐《す》えた香と積肥《つみごえ》の香が擅《ほしいまま....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
ゃぷりと小さな波が波打際《なみうちぎわ》でくだけるのではなく、少し沖の方に細長い
小山のような波が出来て、それが陸の方を向いて段々|押寄《おしよ》せて来ると、やが....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
が自分に気がついて君自身を見いだした所は海産物製造会社の裏の険しい崕を登りつめた
小山の上の平地だった。 全く夜になってしまっていた。冬は老いて春は来ない――そ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
吹かれる雪になった。 そこでイルマタールは海から上がり、そうして岬や島々や山々
小山を作り出した。それから、賢い歌手で風の息子であるところのウェイネモェイネン(....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ら下を覗いて居た。 積荷のない為め、思うさま船脚が浮いたので、上甲板は海面から
小山の様に高まって居る。其の甲板にグリゴリー・ペトニコフが足をかけようとした刹那....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ちんと椅子が置いてあるが、役人らしいのは影も見えねえ。 ははあ、来る道で、向の
小山の土手腹に伝わった、電信の鋼線の下あたりを、木の葉の中に現れて、茶色の洋服で....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
立っているか、下駄屋にまで飾ったな。皆極彩色だね。中にあの三|間間口一杯の布袋が
小山のような腹を据えて、仕掛けだろう、福相な柔和な目も、人形が大きいからこの皿ぐ....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
りました。どこか宿をさがそうとおもっていそぐうち、夜になりました。でもどうやら、
小山の上にぽっつり立っているちいさなお寺にたどりつきました。しあわせと、おもての....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
常に面白い。 ファラデーはロンドンに育ったから、市外の青野を見ていたばかりで、
小山を山岳と思い、小石を岩石と思っていたという次第である。それゆえロンドンを立っ....