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小市
「小市〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小市の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の盗賊」より 著者:太宰治
世に、ロマンチックは、無い。私ひとりが、変質者だ。そうして、私も、いまは営々と、
小市民生活を修養し、けちな世渡りをはじめている。いやだ。私ひとりでもよい。もうい....
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
片の語なれども、私は、狂っていません。 社会制裁の目茶目茶は医師のはんらんと、
小市民の医師の良心に対する盲目的信仰より起った。たしかに重大の一因である。ヴェル....
「喝采」より 著者:太宰治
き、困難と思われたる形式だけを、えらんで創り、デパートの紙包さげてぞろぞろ路ゆく
小市民のモラルの一切を否定し、十九歳の春、わが名は海賊の王、チャイルド・ハロルド....
「虚構の春」より 著者:太宰治
す。良薬の苦味、おゆるし下さい。おそらくは貴方を理解できる唯一人の四十男、無二の
小市民、高橋九拝。太宰治学兄。」 下旬 月日。 「突然のおたよりお許....
「狂言の神」より 著者:太宰治
もよし、好きな煙草を寝しなに一本、仕事のあとに一服。そのような恥かしくも甘い甘い
小市民の生活が、何をかくそう、私にもむりなくできそうな気がして来て、俗的なるもの....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
箒尻《ほうきじり》で脊中を打《ぶ》つのです。其の打人《うちて》は打《たゝ》き役|
小市《こいち》と云う人が上手です。此の人の打《う》つのは痛くって身体に障らんよう....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
二陣に控えて、決戦の朝を待った。ただ小荷駄の直江大和守は北国街道を北進して犀川を
小市の渡にて渡り善光寺へと退却せしめた。甘粕隊は遠く南方小森に於て妻女山から来る....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
を連れて足軽の風態で、盛政の陣所行市山を窺い、その有様を墨絵にして持ち帰った。弟
小市郎秀長、甥の三好孫七郎秀次などに向って「昨日の盛政の戦の仕様に不審を抱いて今....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
幸福感が、一瞬にして、奈落のどん底にたたき込まれたような気がした。ケチな、ケチな
小市民根性。彼等のその醜いケチな根性が、どんなに僕たちの伸び伸びした生活をむざん....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
に私を不思議がらせたのは、この人々が、私が日本の社会で私の周囲に見たのと全然同じ
小市民的な雑事に追われとおしていることだった。たとえば「何をやらせても駄目な息子....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
居るのか、はっきり知らなかったのです。 「わたしは、クリスティアンス ハウンから
小市場通へいくのだよ。」 こういうと、こんどはむこうがおどろいて顔をみました。....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
その尽くる所を知らず。家は見えずして、きりぎりすの声左右に満つ。下愛別に至れば、
小市街を成す。三人の幼児の乗りたる箱車を牽く犬もあり。石狩川の水を引ける掘割の傍....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に車行して、クロイドン村なる総領事の宅を訪い、さらに車行してパラマッタ町に至る。
小市街なり。行程十四マイルあり。さらに馬車に駕し、悪道二マイル余をむちうちて、津....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
う呼びかけて)ここまでちょっとお出で! 面白いものを見せてやろう」 田螺先生は
小市長を自分の側まで呼び寄せ、 「見えるか? あの枝先の蝸牛が? 」と岸の欅の木....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
まのためには替えられません、左様なら手前が田原町に居りました時に、裏に居た女衒の
小市という男を存じて居りましたから、これへ参って談をいたして見ましょう」 と是....