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小役人
「小役人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小役人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
しくなり、だれかれの容赦なくあらゆる人々の鼻に刺すような痛みを加えるので、哀れな
小役人などはまったく鼻のやり場に困じはてるのである。そうとう高い地位たる連中です....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
しかるに、走り行く此方《こなた》の車内では、税務署か小林区《しょうりんく》署の
小役人らしき気障《きざ》男、洪水に悩める女の有様などを面白そうに打《うち》眺めつ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
誰が云い出したのか知りませんが、六道の辻という名になってしまったのです。ここらは
小役人や御先手《おさきて》の組屋敷のあるところで、辻の片側には少しばかりの店屋が....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
とか言ったのに違いないと、豹一は咄嗟に判断して、馬鹿な奴だと思った。むしろ役所の
小役人風めいたおどおどしたその男の態度が哀れだった。が、その男よりもその生徒の方....
「観画談」より 著者:幸田露伴
、田舎の小学を卒ると、やがて自活生活に入って、小学の教師の手伝をしたり、村役場の
小役人みたようなことをしたり、いろいろ困苦勤勉の雛型その物の如き月日を送りながら....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
て賄賂をむさぼり、横領をほしいままにしている。その罪まことに重々である。就いては
小役人などを責めて、償いの金を徴収するな。さもなければ、何月何日の夜半に、おまえ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
りそうなものはフランスへ留学させられる。そして帰ると、学校の先生かあるいは何かの
小役人にさせられる。僕が前に言った若い安南人というのも、やはり以前フランスに留学....
「青春論」より 著者:坂口安吾
、そのことは読んでいただけば分るであろう。 二 淪落に就て 日本人は
小役人根性が旺盛で、官僚的な権力を持たせると忽ち威張り返ってやりきれぬ。というの....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
奴は、私はキライだ。そういう奴はすぐ道徳的、一人よがりの顔をし、権力をふり廻し、
小役人根性を現し、ファッショとなる。誰もエラクはない。 戦争中は四王天というユ....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
来る。 彼等は――知県に鞭打たれたことがある。紳士から張手を食ったことがある。
小役人から嚊を取られたことがある。また彼等の親達が金貸からとっちめられて無理死を....
「博物誌」より 著者:岸田国士
。続けざまに屁をひる。 〔L'A^ne〕 何があろうと、彼は平気だ。毎朝、彼は
小役人のようにせかせかした、ごつい、小刻みな足どりで、配達夫のジャッコを車に載せ....
「俊寛」より 著者:倉田百三
ない役目をだれかに代わってもらうこともできるだろう。 俊寛 しかしそれは区々たる
小役人のすることだ。大いなる役人は文書の意のあるところをくみとるべきだ。 基康 ....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
、あるいは郊外の百姓の顔であり、あるいは区役所や郵便局や交通機関や配給機関などの
小役人や雇員や労働者であり、あるいは学校の先生であり、といつたように、我々が日常....
「悲願に就て」より 著者:坂口安吾
全てがなんという負担であろうか。 「文芸」の作品六つ読んだ。 芹沢光治良氏の「
小役人の服」、横山属という五十すぎた
小役人に課長が洋服地を投げてよこして、どうだ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
等の家にあるものを自慢し合ったことを覚えている。僕の友だちは僕のように年をとった
小役人の息子ばかりではない。が誰も「利いちゃん」の言葉には驚嘆せずにはいられなか....