小心者[語句情報] » 小心者

「小心者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小心者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
す。「五十円」という題の貧乏小説を書こうと思います。五十円持って旅に出たまずしい小心者が、そのお金をどんな工合いに使用したか、汽車賃、電車代、茶代、メンソレタム....
乞食学生」より 著者:太宰治
く可笑《おか》しくて、たまらなくなるのだ。胆《きも》が太いせいでは無くて、極度の小心者ゆえ、こんな場合ただちに発狂状態に到達してしまうのであるという解釈のほうが....
桜桃」より 著者:太宰治
、一生懸命であった。もともと、あまりたくさん書ける小説家では無いのである。極端な小心者なのである。それが公衆の面前に引き出され、へどもどしながら書いているのであ....
競馬」より 著者:織田作之助
《ふ》れたり、子供のように吸ったりすることが唯一《ゆいいつ》のたのしみで、律義な小心者もふと破れかぶれの情痴《じょうち》めいた日々を送っていたが、一代ももともと....
身投げ救助業」より 著者:菊池寛
十三になる男であった。主家の金を五十円ばかり使い込んだ申し訳なさに死のうとした、小心者であった。巡査に不心得を諭されると、この男は改心をして働くといった。それか....
世相」より 著者:織田作之助
立って働きたい性分らしく、絶えず不安な眼をしょぼつかせてチョコチョコ動き、律儀な小心者が最近水商売をはじめてうろたえているように見えたが、聴けばもうそれで四十年....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
着かなかった。しかしそれは勝利の後だけに活き活きとしていることは確かだった。ただ小心者のK中尉だけはこう云う中にも疲れ切った顔をしながら、何か用を見つけてはわざ....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
と如何にも憎さげに、お半の方は鼻を鳴らした。「大悪党にも似合わない、飛んだお前は小心者だね。……だが然う白を切り出したら、突っ込んで行っても無駄だろう。では、あ....
机と布団と女」より 著者:坂口安吾
ら、大兄もヘンだし、安吾さんもおかしい。失礼と存じまして、先生と呼んだんで、根が小心者なので、呼び方から、おッかなびっくり、然し今日は二十三年の一月二日、大変よ....
母の上京」より 著者:坂口安吾
て何者だらうかと考へる。彼はよく子供の頃の自分を考へた。小学校の頃は組で誰よりも小心者で、隣の子供の悪事にも自分が叱られるやうにいつもビクビクしてゐたものだ。恐....
カストリ社事件」より 著者:坂口安吾
り、お気のすむように、存分にやって下さい」 と云って、花田一郎は、目をとじた。小心者で、ちょッと針で突かれても、アッチッチと悲鳴をあげる弱虫であった。然し、彼....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
二郎が好んで行くのは「松嵐」という清酒の造り酒屋であった。なぜなら、この家だけは小心者の正二郎を憐れみ、彼を彼の一味とは別の人種として取り扱い、いたわってくれる....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
と蒼ざめて爪をポリポリかみつづけていたという。 こういうところは今日の医学では小心者の精神病者の性格である。ところが家康という人はにわかの大事に会うとテンドウ....
三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
世間体を怖れて思い切れずにいることなどが、私には判然と感じられた。これはむしろ、小心者の、何事をも躊躇ばかりしていて、結局は何事も決断の出来ないような、藻掻くよ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
た例があります。 その少年は、小学校時代は、組でも中以上の成績でしたが、随分と小心者でしたから、いざ中学校の入学試験を受けようとすると、試験場で胸がどきついた....