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小憎らしい
「小憎らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小憎らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
メントに擦り叩きながら、とっとと足ののろい母親を置いて行く。ラッパズボンの後襞が
小憎らしい。それは内股から外股へ踏み運ぶ脚につれて、互い違いに太いズボン口へ向け....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
！」 同時に退屈男が呼び叫びながらそのあと追いかけていったが、もう遅い。対手は
小憎らしいことにも馬上なのです。並木の松に砂塵を浴びせながら、すでにもう遠く街道....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
お女郎だ、本当の好い花魁ではない、すべた女郎だ」 なんどと申しますから、 増「
小憎らしい、此の子供は悪態をつく」 と頬片を捻る、股たぶらを捻る、女郎は捻るの....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のが、フトこっち向に、舌を出した形に見える。……ふざけて、とぼけて、その癖何だか
小憎らしい。 立寄る客なく、通りも途絶えた所在なさに、何心なく、じっと見た若い....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
前さん茅葺屋根から虫が落ちるだろうじゃアないか、本当に私を退したって亭主振って、
小憎らしいのだよ、此間の晩も種々話したいことが有るんだけれども出来ないと云うのは....
「或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
凡ての点でその世界のものであり、その世界に我を忘れてる光子に対して、羨しいような
小憎らしいような感情が起ってきた。 そして更に、その感情をなお刺激することが起....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
してくれぬか」 一同「えっ、旦那、あんな奴を助けるのですか、私やア面を見るのも
小憎らしい」 文「いや、坊主が憎けりゃ袈裟までというのは人情だが、そこが文治が....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
をしている衣子だから、お体裁みたいな風流談義が馬耳東風なのであろうが、貞吉も時々
小憎らしい奴だと思ったり、可愛いゝ奴めと思うこともあった。 彼はビルマのジャン....
「机と布団と女」より 著者:坂口安吾
ばしておけばマア満点だというところなど、アッパレな着眼で、山奥の小僧とは思われぬ
小憎らしいところがあるが、先日、浅草でドサ廻りの役者からきいた話でも、目下田舎へ....
「探偵小説とは」より 著者:坂口安吾
て作られるのが一番似合っているのだ。文学だの芸術などゝ力むところのない、軽快な、
小憎らしいゲームなのである。つまり百パーセント、理知的な娯楽品なのである。....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
から、一人前でもないくせに、てんから私を見くびっている。こういう未成品のジロリは
小憎らしいもので、衣子家飼いならしのよく吠えるフォックステリヤ、その程度のチンピ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
は横へ曲がったな。餓鬼のくせに云う事を聞かぬ。根性曲がりの悪垂れ小僧め、ほんとに
小憎らしい小僧じゃアねえか！」などと憎々しく怒鳴るのであった。 ジョン少年は何....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
である。手製のパイプへそれを詰めて惜し気なくそれを吹かす時私は真に幸福であった。
小憎らしいのは猩々である。遠くの木の股から顔を出して二日でも三日でも見守っている....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
のシグナルを処理して私は小走りに階壇を下りた。黄昏の暗さに大槻の浴衣を着た後姿は
小憎らしいほどあざやかに、細身の杖でプラットホームの木壇を叩いている。 私は何....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
までおっしゃいよ。」 とばかりに渠は立ちあがりぬ。予が見送ると目を見合せ、 「
小憎らしいねえ。」 と小戻りして、顔を斜にすかしけるが、 「どれ、あのくらいな....