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小成
「小成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小成の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ソヴェト労働者の解放された生活」より 著者:宮本百合子
快なのは、ソヴェト同盟の生産拡張五ヵ年計画がはじまるまで、狡いことして儲けていた
小成金や商人が、三十ルーブリの室なら九十ルーブリという風に、いつもキット三倍の税....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と言って、万字屋の方を見ながらニヤリと笑いました。このとき金助の心持は、今までの
小成金気分の酔いから、すっかり醒《さ》めてしまって、一両の金に随喜するような心か....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
いつまでここに居るか知らないが、在監中には是非エスペラント語を大成し、ドイツ語を
小成したいと思ってる。 監獄へ来て初めて冷水摩擦というものを覚えた。食物もよく....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
の優越に対する正当なる認識と尊敬を含むと同時に、我国における独創的の研究の鼓吹、
小成に安んぜんとする恐れのある少壮学者への警告を含んでいたのである。「どうも日本....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
。一匹のイワシのために老いの目に涙をうかべて喜ぶ人がいたのね。昔の同僚が町工場の
小成金に出世して、拾いあげてくれたの。実直でグズなところを見こまれて、会計をあず....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
多いのである。 しかしそれら小学校出身者は特に優秀なる人々を別として、一般には
小成に安んずる傾向があり、高等教育を受けた人々に比し、志が低いと見られるのはこの....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
惜しむらくはとかく思いを此所に至すもの甚だ少なく、卒業とともに直ぐ老成ぶったり、
小成に安んじたり、慢心を増長せしめたりして、終にただ生涯給金取りとして人に雇使せ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
に得意がりあるいは落胆している人は一層気の毒である。ところが誰でも少し油断すると
小成《しょうせい》に安《やす》んじ、これでよいという気になりやすく、しからざれば....
「日記」より 著者:宮本百合子
自由に経験し生活したらどんなに愉快だろう。二十四歳まで修業の最中であり乍ら、彼の
小成に安んずる感化をうけ、一緒におさまってよいものか? 種々の反省。親から自由に....
「将来の日本」より 著者:田口卯吉
いずくんぞ一言なきを得んや。古人初めて陳ぶるに臨まば奇功多からざらんを欲す。その
小成に安んずるをおそるるなり。今君は弱冠にして奇功多し。願わくは他日|忸れて初心....
「俳優への手紙」より 著者:三好十郎
運良く、思いがけない金=月給にあり附いたもので、トタンにのぼせあがってしまって、
小成金になった気の者が相当居ることは、誰もが知っている)。或る者は、せっかくの資....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
忘れ、公衆永久の信用を重んぜざるの弊あるを憂え、学術に従事するものは、わが学生の
小成に安んじて耐忍、進取の気風なきを憂え、政治社会に立つものは、わが人民の議論つ....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
続があるばかりだとするならば、それは畢竟何物かに囚われて、進歩性を欠いた、そして
小成に安んじてるものであって、問題になるほどのものでない芸術であると見なければな....
「三国志」より 著者:吉川英治
、これからだ。――われこの土に生れたり矣。――見よ、これからだぞ」 彼は、今の
小成と栄華と、人爵とをもって、甘んじる男ではなかった。 その兵は、現状の無事を....
「日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
与えられなかった社会的風習からも、来ているのであるが、近年に至って、知識人の間に
小成に安んじ現在に満足する気風がひろまり、その点からもこういう態度がとられるよう....