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「小我〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小我の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
正義と微笑」より 著者:太宰治
、僕たちの胸には、ぐんと来るのに、いつもいつも同じ、権利と義務の定義やら、大我と小我の区別やら、わかり切った事をくどくどと繰り返してばかりいる。きょうの修身の講....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
よがりの自慰的お座敷芸でもない。それどころか、ややもすればわれわれの中のさもしい小我のために失われんとする心の自由を見失わないように監視を怠らないわれわれの心の....
社会時評」より 著者:戸坂潤
栄えて来たものである。」四、「天皇の御ために身命を捧げることは自己犠牲ではなく、小我を捨てて大いなる御稜威に生き国民としての真生命を発揮する所以である。」五、「....
大自然を讃う」より 著者:豊島与志雄
時の頼り無さに過ぎない。心を静めて観ずれば、自己の微小はやがて自己の偉大となる。小我を去って大我に還るとは、この間の消息である。たとい吾々の生が落ち散る一枚の木....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
は行動するかを、冷やかにじっと見守るようになる。田山花袋は、実際に行動する自我を小我と名づけ、それを見守る自我を大我と名づけて、小我を没して大我に就くべきを説い....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
色から甦ると、すぐ恥というものが頭へいっぱいに燃えた。 (師の恥) とばかり、小我を捨てると、一同は道場に集まった。 清十郎を取り巻いてである。 だが、そ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
とれていた。あかあかと、腹の底まで陽の光が映しこむように思えた。 一年のうちの小我な狭い考えの中に湧く愚痴の虫は、この雄大な光の前に、影をひそめてただ清々しい....
三国志」より 著者:吉川英治
ると、ありありと慚愧の色をあらわして、慨然とこういった。 「誤てり、誤てり。ふと小我にとらわれて、ひたすら孔明の智を憎み、孔明を害さんとばかり考えていたが、彼の....
三国志」より 著者:吉川英治
時代の一転を説き、新政の意義を諭し、さらに、これに逆行しようとする小さい反抗の、小我に過ぎないことを云い聞かせた。 「ああ、われ誤る」 と、まず黄権が出て、門....
三国志」より 著者:吉川英治
いないで、すぐにも張飛はお供いたしたいと思います。はや平和の日になれて、ひたすら小我の安逸へ奔ろうとする文官や一部の武人にさえぎられていたら、生あるうちに、この....
三国志」より 著者:吉川英治
彼が面に紅粉を塗って、女の着物を着てあやまる恰好を見てやらねばならん」 などと小我の快感を空想していた。 そのうちに、約束の十日近くである。物見の者が、 「....
親鸞聖人について」より 著者:吉川英治
で一人、自分がなにか、しっかとすがっているだけです。小さいんです。それはむしろ、小我な愛に自らおぼれているようなもんです。 いろんな人生を経てくると、私は自分....