小戻り[語句情報] »
小戻り
「小戻り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小戻りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っちですよ」 友吉は先に立って行きかかると、半七もふた足三足ゆき掛けたが、また
小戻りして松吉にささやいた。 「おい、松。その木魚には仕掛けがある。あっちへ行っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
悄然としているのが半七の注意をひいたので、彼は幸次郎に眼配《めくば》せしながら、
小戻りして其のあとを追った。 お光はそれにも気がつかないらしく、狭い仮橋の中程....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
物凄い。 フト立留まって、この茅家を覗めた夫人が、何と思ったか、主税と入違いに
小戻りして、洋傘を袖の下へ横えると、惜げもなく、髪で、件の暖簾を分けて、隣の紺屋....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
た。そして人だかりのしている夜店は意地になっても見落すまいとして、行き過ぎたのを
小戻りさえする青年の近くにうろうろする洋装で童顔のかの女が、青年にだんだん意識さ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ぬ。室を出でける時、あとよりつきて出でし少女を小手招きして、何事をかささやきつ。
小戻りして、窓のカーテンの陰に内の話を立ち聞く少女をあとに残して、夫人は廊下伝い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がお帰りになったら起すから」 「有難うございます」 女中が行ってしまってから、
小戻りして来たお絹は、 「百蔵さん、お入り」 それとは別に、その晩、江戸の市中....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
て、枝折戸を鎖さぬのである。 で、滝のある位置は、柳の茶屋からだと、もとの道へ
小戻りする事になる。紫玉はあの、吹矢の径から公園へ入らないで、引返したので、……....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
七十九 かくて、お雪ちゃんは、弁信を一足先に関屋へやり、自分は小一町を
小戻りして、とあるお堂のところまで引返して来ました。 そこへ来た時は、お堂には....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
男の体が見え出しました。 「やあ、あいつが向う河岸の辻番だ」 と米友は当惑して、
小戻りして林町の町家の天水桶の蔭へ隠れると、鈴木の辻番は二の橋を渡って、米友の隠....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
井も不審がって、そこで三人が一緒になって、もう一人の行方を探そうとして、橋の方へ
小戻りして来ました。 それから橋上へ取って返した時分に気がつくと、さいぜん橋の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しているものらしい。 当人よりも、それを見ている兵馬が、もどかしがって、二三間
小戻りをして来て、昼のような月明に、当の女の足もとを篤《とく》と透《す》かして見....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
石を、青と赤い踵で踏んで抜けた二頭の鬼が、後から、前を引いて、ずしずしずしと
小戻りして、人立の薄さに、植込の常磐木の影もあらわな、夫人の前へ寄って来た。 ....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
」 弥七は旅人に幾たびか礼をいって、早々に犬を追い立てて出た。と思うと、かれは
小戻りをして重兵衛を表へ呼び出した。 「どうも不思議なことがある。」と、彼は重兵....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
つかったんだからなあ。粗忽でぶつかったぶつかりおかれないなあ」
で、若い武士は
小戻りに戻って「待て!」と声をかけようとしたが「待ったり」と自分で自分をおさえた....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
とばかりに渠は立ちあがりぬ。予が見送ると目を見合せ、 「小憎らしいねえ。」 と
小戻りして、顔を斜にすかしけるが、 「どれ、あのくらいな御新造様を迷わしたは、ど....