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小手調
「小手調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小手調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
も不相変《あいかわらず》人通りを絶たないらしい。主人も――綺麗に髪を分けた主人は
小手調《こてしら》べをすませた手品師《てじなし》のように、妙な蒼白い頬《ほお》の....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
わなかった所以である。 さて、大正十三年四月二日は公判準備調べに止まり、ほんの
小手調べに過ぎなかったが、この時能勢弁護士は、 「被告を検挙した責任者であり、且....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んで来るかと思うとそうではなく、前の通りの音無しの構えでじっと動かず。 兵馬は
小手調べを見事に失敗《しくじ》って、こっちから仕かけた軍《いくさ》に負けて一時ハ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いて来た坊主の手並がどのくらいのものやら、さっき向うの橋の袂《たもと》でちょっと
小手調べをやらせたが、あれがこっちの本芸だと思うと大間違い。さあさあ、痛い目をし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しかけ》があって、誰か上人の方へ筒抜けをする機関《からくり》だとこう思ったから、
小手調べに二つ三つ手近なやつを引ん抜いてみたら驚くじゃねえか、ちゃあんとあの上人....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
らねばならぬというのである。 いうまでもなく選挙粛正は、前年の府県会議員選挙を
小手調べに、すでに宣伝至らざるなき有様であるから、都合がいい。 挙国一致を紊る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
をかけました。 「こんにちは」 楽屋では一座の美人連が出揃って、新興行にかかる
小手調べをしているところでした。 「こんにちは」 米友は女軽業の美人連の稽古場....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
神戸から江戸へ向けて発足《ほっそく》。 名乗りも、芸名そのままの山本南竜軒で、
小手調《こてしら》べに、大阪の二三道場でやってみると成績が極めてよい。全く先方が....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
人情の弱点を心得ているから、決して初めからお金などを持っては来ないのです。例えば
小手調べに活動の切符などを持って来て、お暇ならどうですという。こちらはたかが活動....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
第十五会場 ここが第十五会場です。遠い道路のちょうど半分に当ります。 (1)は
小手調べ。(2)は快刀乱麻を断つ――というほどではないが、一度でばらばらと解けて....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
手を入れたが、取り出したのは綴じた紙である。 「見るにも耐えぬ拙作ながら、ほんの
小手調べに綴りましたもの、ご迷惑でもござりましょうがお隙の際に一二枚ご閲読下さら....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
つくるは厭な奴、ちんと穏しく見る人にはこっちから褒美を出してやる。……まず初めは
小手調べ、結んでも結べない手拭いの術、おおお立会誰でもいい、一本手拭いを貸してく....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
る声で唄いはじめた。垣根のそばの、匂ザクラの茂みでは、夜鳴きウグイスがまずそっと
小手調べをして、やがてのどいっぱいに囀りはじめた。高々とそびえる竿のうえの鳥かご....
「怪談劇」より 著者:岡本綺堂
い。私も何か新しい怪談劇を書いてみたいと心がけているが、どうも巧く行かない。その
小手調べとして、去年の夏は本郷座に「牡丹燈記」を上演し、今年の春は歌舞伎座に「雷....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
の、吾妻を引っ張ったばかりなんじゃァねえか。」 「だって……」 「ほんの、まだ、
小手調べのすんだばかり。――ちょうどそこへがら/\ッと来たもんだ。」 「あ、地震....