小抽斗[語句情報] » 小抽斗

「小抽斗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小抽斗の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
狂乱」より 著者:近松秋江
面影をなお追うような心持になったが、女は瞬く間に、数の多い、どこかそこらの箪笥の小抽斗にそれを隠してしまった。 羽織袴を着けている三十|恰好の男はくりくりした....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
、いつもの通りでありすぎて伸子には気の毒に感じられた。伸子は箪笥の中についている小抽斗からハンカチーフを出して、上着のポケットに入れたりした。 「お父様、よくお....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
早くして下さい」 「焦《せ》くなよ」 「まあ焦《じ》れったい、その右の小さい方の小抽斗《こひきだし》」 「これか」 「水でよく創《きず》を洗ってやりましょう、あ....
薬草取」より 著者:泉鏡花
の甥とかいう、ぺろりと長い顔の、額から紅が流れたかと思う鼻の尖の赤い男、薬箪笥の小抽斗を抜いては、机の上に紙を並べて、調合をするですが、先ずその匙加減が如何にも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た今この家を出かけるつもりでしょう。帯の間へは例の通り懐剣を挟みました。そうして小抽斗《こひきだし》から幾つかの小判の包みを取り出して、無雑作に懐中へ入れました....
次郎物語」より 著者:下村湖人
ていたが、そのまま箪笥の方に歩いて行って、開いている抽斗は無論のこと、袋戸棚から小抽斗に至るまで、引っかきまわした。 俊亮は、その間、默然と坐って腕組みをして....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ら降りてきたお米は、お吉を慰めてやろうとする前に、足の踏み場もなく散らかっている小抽斗や反古などを片づけ始めた。 「お嬢さん、ほうっておいて下さいまし。後で私が....
」より 著者:室生犀星
内儀ではあるまい。」 おあいは、細帯一つになって、燈心をほそめ、櫛は、行燈台の小抽斗にいれた。そして床にはいったが…………そのとき、ふいに目をさました。 枕....