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小料理
「小料理〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小料理の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。その結果はかの掴み合いになったのである。半七はそれから又蔵をだまして近所の
小料理屋の二階へ連れ込んで、カマをかけて訊いてみると、又蔵は口惜しまぎれに何もか....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
野へ行く途中の、長い杉並木の間に新しい校舎ができた。そしてその並木路の入口にある
小料理屋風の蛇塚屋というのが、僕等不良連の間にスネエクと呼ばれて、みんなの遊び場....
「河明り」より 著者:岡本かの子
っているうちである。そうでなければ各停車場の食堂か、駅前の旅籠屋や魚市場の界隈の
小料理屋である。けれども女二人ではちょっと困る。私たちは寒気の冴える朝の楓川に沿....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
の油で穢れてはいるが、まだ新しい中味の豊富な広告マッチだ。レッテルの図案の中に「
小料理・関東煮」としてある。喬介は微笑しながら再び語を続けた。 『そして又その男....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
猪口の酒を一口した。…… 「……姐さん、ここの前を右へ出て、大な絵はがき屋だの、
小料理屋だの、賑な処を通り抜けると、旧街道のようで、町家の揃った処がある。あれは....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
かく言う私だ……」 十三 「なお聞けば、古市のはずれに、その惣市、
小料理屋の店をして、妾の三人もある、大した勢だ、と言うだろう。――何を!……按摩....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
御茶屋には得意もないので、洋傘をさして、抱主がついて、細かく、せっせと近所の待合
小料理屋を刻んで廻った。 「かさかささして、えんえんえん、という形なの、泣かない....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
そこいらに、小川という写真屋の西洋館が一つ目立った。隣地の町角に、平屋|建の
小料理屋の、夏は氷店になりそうなのがあるのと、通りを隔てた一方の角の二階屋に、お....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
す。しかし大抵の岡っ引は何か別に商売をやっていました。女房の名前で湯屋をやったり
小料理をやったりしていましたよ」 そういうわけで、町奉行所から公然認められてい....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
ずも一両の金を握って大喜び、これも師匠のお蔭だというので、すぐに二人づれで近所の
小料理屋へ行って一杯飲むことになった。文字友は前にもいう通り、女の癖に大酒飲みだ....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
の後にも心安く附合っていた。伊兵衛は職人だけに道楽をおぼえて、天神橋の近所にある
小料理屋などへ入り込むうちに、かの甚吉をも誘い出して、このごろは一緒に飲みにゆく....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
りを撫でながら、男はやはりにやにや笑っていた。田原町の蛇骨長屋のそばに千鳥という
小料理屋がある。彼はその独り息子の長之助で、本来ならば父のない後の帳場に坐ってい....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
なっていた。殊に台場が出来てから、そのあたりもだんだんに開けてきて、いつの間にか
小料理屋なども出来た。 九月はじめの午後に、父と叔父は吉田という同役の若侍と連....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
れはそれは大した威勢だったそうです。お初は江戸から甲州へ流れて来て、鰍沢あたりの
小料理屋に奉公していたのを、吉五郎が引っこ抜いて来て、自分の家の近所に囲って置い....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
ので、眺望が自由でない。かつは風が甚だしく寒いので、更に品川の町に入り、海寄りの
小料理屋へ上って、午餐を喫いながら硝子戸越しに海を見た。暗い空、濁った海。雲は低....