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小智
「小智〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小智の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
デエトを、実験もせぬ化学の方程式を、欧米の一都市の住民の数を、――あらゆる無用の
小智識を学んだ。それは多少の努力さえすれば、必しも苦しい仕事ではなかった。が、無....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
王の御身ですら、御定業《ごじょうごう》をのがれさせ給わず、ましていわんや……この
小智薄根のわたくし……いかなる前生の罪か、この通り不具の身として、人間界に置かれ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
い。自己満足、唯我独尊、驕慢、自慢、自家広告、自分免許………何れも皆禁物である。
小智小才に走るものは、到底われ等の用具にはなり得ない。独断専行を好むものも、亦わ....
「「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
になるかも知れない。だからこれを逆に、或る場合に於ては、沈黙は無智であり、寡言は
小智であり、饒舌は大智であると、モダーンな皮肉も云ってみたくなろうというものだ。....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
言っても、竜一は単純で、無器用で、よくおだてに乗る子であるのに、由夫は、ませた、
小智恵のきく子で、どうかすると、遠まわしに竜一の親たちの陰口をきいたりする。賭事....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
いろ》を使ったのかも知れない。足へ入ってる四人は、お互いに姿が見えないのだから、
小智慧の廻る奴なら、そのくらいのことはやってのけるだろう」 「まア、そう言えばそ....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
迷惑千万な話であります。 私はこの点が一日も速やかに改良されて、もっと念入りに
小智をたのまずに、真に人間味のある法律が作られるようになることを希望してやまない....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
の姿そのままをそこに描き出したような世の中に住まっていたろう。人々の嫉妬、排他、
小智、頑冥等は今目のあたり見るところと何の差異も無かったろう。そんな世界がくりか....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
響できる武蔵を再現してみたいという希いを私はもった。――それと、あまりにも繊細に
小智にそして無気力に堕している近代人的なものへ、私たち祖先が過去には持っていたと....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ら、正直に、表が表で来たり、白が白で目の前に存在していたりすると、かえって己れの
小智慧にからかわれて、神楽堂の外で神楽舞をやっているような、お話にならない骨折損....
「三国志」より 著者:吉川英治
く兵を語る眼がすこしあいてきたというものである。この上とも実戦のたびには、日頃の
小智にとらわれず、よく大智を磨くがよい」 語り終って、曹操は、杯をあげた。諸大....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「しょせん、おれは一|介の田舎漢よ。何やら分らぬことだらけだ。したが、その分らぬ
小智恵では、生じ帝座の繞りへ近づかなんだ方が、かえってよかったことかもしれぬ。…....