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小暗い
「小暗い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小暗いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
ある。二人とも十二、三でやはり緋の袴に白い衣をきて白粉《おしろい》をつけていた。
小暗い杉の下かげには落葉をたく煙がほの白く上って、しっとりと湿った森の大気は木精....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
というその直前に迫って、いっそうはげしさを加えた。 どーんと扉がひらいたとき、
小暗い外から一人の人間がとびこんできた。 「あっ」 と、フルハタは、途方もない....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
制して、自分のあとについてくるようにと合図をおくった。 博士の後に従って、僕は
小暗い長廊下をずんずん奥へあるいていった。 そのうちに博士は、廊下の途中から横....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
き、洋杖を抜きだし、表の戸を明け、外から秘密の締まりの孔へ太い釘をさし、それから
小暗い路地にソロソロと歩を搬びながら、始めてホッと溜息をついたのだった。 時刻....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
と根賀地とは、目白の坂を下りて早稲田の方へ走る自動車の中に在った。山吹の里公園の
小暗い繁みの中に入ったとき、思いがけなくドカンという銃声と共に、ウィンドー・グラ....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
世紀末的な廃頽せる現代に於て、なんと似合わしいデカダン・スポーツではあるまいか。
小暗いレールを踏み越えて、ヒラリとプラットホームに飛びあがった大江山警部の鼻先に....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
彼女の郊外の家を出掛けたが、その道すがら突然アパッシュの一団に襲われたのだった。
小暗い森蔭に連れ込まれて、あわや狼藉というところへ飛び出したのが僕だった。諸君は....
「赤外線男」より 著者:海野十三
るさで、室の中は暗闇だというほどではないが、しかし椅子の下、後方の両脇などには、
小暗い蔭があった。それにこうして平然と、画面に見入っていていいものかしら、赤外線....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
そういって語る安宅の顔付には、その年頃の溌刺たる青年とは思えず、どこか海底の
小暗い軟泥に棲んでいる棘皮動物の精が不思議な身の上咄を訴えているという風に思われ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
系の群星が暗黒な空間にダイヤモンドの砂を撒いたようにキラキラと燦いていた。絶好の
小暗い空模様だった。 「さあ、いよいよ出発だ」 「ああ、もうソロソロいい時刻だ。....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
のであろう。 牡牛の扉 八木少年は、ふと吾《わ》れにかえった。 彼は、
小暗い階段の下に倒れていた。 気がつくが早いか、さっと頭をかすめたことは、怪囚....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
物をせおって進軍をおこした。橇もなければ、犬もいない。歩きなれない氷上を、一行は
小暗いカンテラの灯をたよりにして、一歩一歩敵地にすすんでいった。 夜が明けかか....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
機関大尉の心は、どこまでも注意ぶかく、そして傷つける部下の身の上にやさしかった。
小暗い下甲板 川上機関大尉は、半裸体に、日本刀を背中に斜に負い、組立鉄骨をのぼ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
高射砲第三中隊あつまれ!」 中尉の号令を待ちかねていたかのように、部隊はサッと
小暗い営庭に整列した。点呼もすんだ。すべてよろしい。そこで直ちに部隊は隊伍をとと....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
きもまだ進まず、殆んど全部がそのままになっていた。ただ道傍や空地には、カンテラや
小暗い蝋燭を点して露店が出ていた。芋を売る店、焼けた缶詰を山のように積んでいる店....