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小曲
「小曲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小曲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
、あとで作者自身が読みかえしてみると、いやな気がしたり等するものであるが、気楽な
小曲には、そんな事が無いのである。れいに依《よ》って、その創作集も、あまり売れな....
「器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
ない孤独を思い浮かべていた。音楽会――音楽会を包んでいる大きな都会――世界。……
小曲は終わった。木枯《こがらし》のような音が一しきり過ぎていった。そのあとはまた....
「夏秋表」より 著者:立原道造
やぶうぐいす、閑古鳥などの唄がひびいていた。そのなかに、春蝉は彼のかなしい感傷の
小曲をうたいあげたのである。 夏のあいだ、私は忘れるとなしに彼のことを忘れてい....
「新生」より 著者:島崎藤村
たよ。御宅でも皆さん御変りもございませんか。坊ちゃん方も御丈夫で」
岸本が古い
小曲の一ふしも聞いて見るために友人と集ったり、折々は独りでもやって来て心を慰めよ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
。スクルージの姪は竪琴を上手に弾いた。そして、いろいろな曲を弾いた中に、一寸した
小曲(ほんの詰らないもの、二分間で覚えてさっさと口笛で吹かれそうなもの)を弾いた....
「秋の歌」より 著者:寺田寅彦
チャイコフスキーの「秋の歌」という
小曲がある。私はジンバリストの演奏したこの曲のレコードを持っている。そして、折に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。 ある晩、ゴットフリートが確かに歌ってくれそうもない時、クリストフは自作の
小曲を一つ彼に示そうと思いついた。作るのにたいへん骨折ったものであり、得意になっ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
まま、おずおず言った。 「あの壁の上で、こんなものを作っていたんです。」 彼は
小曲を弾《ひ》いた。実際その中には、庭を眺めながらあの好きな場所にいる時、頭に浮....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
最も建築的でないと、自称していた音楽家ほど――たとえばシューマンのように、無数の
小曲のうちに、自分の全生命を一滴ずつ注ぎ込んだ人々ほど、彼をいらだたせるものはな....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
で、美沢に呼びかけ、美和子のことを書き出すことが、出来にくかった。無意味な小唄の
小曲を、幾回となくくり返して、口ずさみながら、自分の感情をまぎらしてから、やっと....
「桜の園」より 著者:神西清
可愛いおまえのところへ。(娘を抱きしめる) ロパーヒン登場。シャルロッタはそっと
小曲を歌っている。 ガーエフ シャルロッタはいいなあ、歌なんか歌ってる! シャル....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
避けられねばならぬ詩形が、更に幾許の生命をつぐ事が出来よう。 口語歌と自由
小曲と 青山霞村・鳴海うらはる其他の歌人の長い努力を、私は決して同情と、感謝なく....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
も歌ってくれそうもなかった時《とき》、クリストフは自分《じぶん》が作《つく》った
小曲《しょうきょく》を一つ彼《かれ》に聞かしてやろうと思いついた。それは作《つく....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
町の河岸なら蛤河岸さ、八幡前、不動前、これが富岡門前の裏になります。」という時、
小曲をして平清の植込の下なる暗い処へ入って蔭になった。川面はますます明い、船こそ....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
ピアノを聞いているのでしたが、かねての約束なのでしょう、サンサーンスや、バッハの
小曲を弾き終えたのち、教授はピアノの上に載せられた譜本を取り上げました。 「今度....