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「小本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小本の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
れはわたしよ」白嘴《しらはし》がらすがそういった。 「経本《きょうほん》もって、小本《こほん》をもって、 わたしがなろぞ、お坊さんになろぞ」 「だァれがならす、....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ん》の中にいつの間にか潜《もぐ》り込んでいる。主人の癖として寝る時は必ず横文字の小本《こほん》を書斎から携《たずさ》えて来る。しかし横になってこの本を二|頁《ペ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
しに町へ出る。 ◯浅草へ初めに行く。三月十日の空襲から二日後に行って以来のこと。小本堂出来、朱塗りの色も鮮やか。本堂建立のため、金五円也を寄進す。 ◯仲見世はい....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
では堪能が出来なくなったとみえて、わざ/\薄葉の紙を買って来て、それを人情本所謂小本の型に切って、原本をそのまゝ透き写しにすることになったのです。お近さんは手筋....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
小さな本は、今度のは絵ではありません。よき根気を以て書いた細字の、数百枚をとじた小本でありました。 「幸いに、拙者を泊めてくれた居士は、まだ世間に流布《るふ》さ....
お女郎蜘蛛」より 著者:宮本百合子
に入るのが常だった。 手あたり次第に小説をあさってよんで居たお龍は末喜を書いた小本を見つけた。さし絵にはまばゆいほど宝石をちりばめた冠をかぶって、しなやかな体....
芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
瓦版《かわらばん》の読売が進化したようなもので、それでも小説と銘を打った、低級な小本には「千葉心中」と、あからさまな題名をつけて、低級な読者を唆《そその》かした....
奥の海」より 著者:久生十蘭
雪の消えるのを待ちかねて宮古をたち、岩手刈谷から茂市街道を通って落合まで行った。小本川に沿って小本の湊へ寄り、そこに一日いて、また落合へ引返した。 いわゆる、....
贋物」より 著者:葛西善蔵
た。表装もみごとなものばかしであった。惣治は一本一本床の間の釘へかけて、価額表の小本と照し合わせていちいち説明して聴かせた。 「この周文の山水というのは、こいつ....
港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
鏡のような黒い紐の附いた玉の大きな眼鏡をかけて、横向になって表紙の赤茶けた欧文の小本を覗いていた。その室の右にも左にも微暗い板の間があって、その前に梯子の階段が....
世間師」より 著者:小栗風葉
だ。銭占判断といって、六文銭で吉凶禍福を占うその次第書を、駿河半紙二切り六枚綴の小本に刷って、それを町の盛場で一冊三銭に売るのだ。人寄せの口上さえうまければ相応....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
上が商業会議所であった。 その階上で歓迎の茶菓を饗せられて、『樺太要覧』という小本と絵葉書とを一同が貰って、また少し上手の新築の小学校へ入った。日は暑かったが....
書物を愛する道」より 著者:柳田国男
ば儒者などの著作で、やや固くるしい事が書いてあり、薄手の表紙の画でも書いたような小本なら風雅人の見るもの、その他八文字屋本の横形から、赤本黄表紙蒟蒻本に至るまで....