小格子[語句情報] »
小格子
「小格子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小格子の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
このしゃれた長火ばちが、いかにもうれしくなるじゃござんせんか。総桐《そうぎり》の
小格子《こごうし》造りで、ここにこうやりながらやにさがってすわってみると、お旗本....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
》をそこに伴ってまいりました。 見ると、いかさまがさつ屋らしく、そこらあたりの
小格子《こごうし》遊女ででもあるのか、すこぶる安手の女で、あまつさえもう大年増《....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
きくどいたあの散茶女郎水浪のいる淡路楼でした。 喜び上がったのは無論水浪です。
小格子女郎のところへなぞはどう間違ったにしても、舞い降りて下さる筈もないお直参の....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
るかな」 さらにいきなことを言いながら、やおらのっそりと立ち上がると、どてらを
小格子双子《こごうしふたご》の渋い素袷《すあわせ》に召し替えて、きゅっきゅっとて....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、ちゅうちょなく千人彫り秘願の彫り師伊三郎の住まいを目ざしました。 4
小格子《こごうし》造りの表に立って、ひょいとのぞくと、玄関口になまめかしい女物の....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
、狭い横町に曲る。どの家の格子にも女が出ていて、外に立っている男と話をしている。
小格子というのであろう。男は大抵|絆纒着《はんてんぎ》である。三枝はその一人を見....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
茶と緋縮緬の交換だな。いや、可い面の皮だ。ずらりと並べて選取りにお目に掛けます、
小格子の風だ。」 「可いじゃないか、学校の目的は、良妻賢母を造るんだもの、生理の....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
て築土八幡の近くのとある横路地を這入った。三平も続いて這入った。 娘は突当りの
小格子を開けて中に這入った。
小格子の前には「質屋」と看板が掛かっていた。 三平....
「芝居狂冒険」より 著者:夢野久作
た。万平も続いて曲り込んだ。 桃割娘のクニちゃんは、横露路の突当りに在る、暗い
小格子を開けて中に這入った。
小格子の前には「質屋」と書いた古ぼけた看板と、丸柿庄....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
水滸伝中、笹川方の鬼剣士、平手造酒猛虎が、小塚原で切取って、袖口に隠して、千住の
小格子を素見した、内から握って引張ると、すぽんと抜ける、女郎を気絶さした腕に見え....
「放生津物語」より 著者:田中貢太郎
明るいので近路をして草原の中を通って来ると、其処の松の陰にその暴漢が待っていた。
小格子ではあるがお職も張って、男あつかいに慣れている彼女は、燃えあがっている対手....
「立山の亡者宿」より 著者:田中貢太郎
うした方でございます」 小八の逢いたいのは先月亡くなった女房であった。新吉原の
小格子にいた女郎と深くなって、通っている中にその女郎の年季が明けて自由の体になっ....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
二の松大黒《まつだいこく》と、京一の稲弁《いなべん》との二軒だけで、その他は皆|
小格子《こごうし》であった。 『今戸心中』が明治文壇の傑作として永く記憶せられて....
「雑木林の中」より 著者:田中貢太郎
った。 (小桜) あれはたしかに小桜と云ったなと思った。それはその前夜|吉原の
小格子で知った女の名であった。 (今晩もずっと出かけて往こう) 登はふと足のく....